アップルとエリクソンがLTE関連の特許紛争 - ライセンス条件で折り合いつかず
2015.01.15
Updated by WirelessWire News編集部 on January 15, 2015, 15:41 pm JST
2015.01.15
Updated by WirelessWire News編集部 on January 15, 2015, 15:41 pm JST
アップル(Apple)が米国時間12日に、エリクソン(Ericsson)が権利を保有するLTE関連の技術特許について、「必須標準特許の条件を満たすものではない」「エリクソンが要求しているライセンス料は多すぎる」などとする訴えを米カリフォルニア州の裁判所で起こしたことが現地時間14日に明らかになった。それに対し、エリクソンでは「アップルとの以前のライセンス契約は2年前に期限が切れており、その後契約更新に向けた交渉を続けてきたものの、いまだに合意に達していない」などとする反論を米テキサス州の裁判所に提出したという。
Reutersなどによると、今回両社の間で争点となっているのは、iPhoneやiPadなどで使われているLTE関連の複数の特許で、具体的にはライセンス料算出の基準となる金額を何にするか、という点が争われているという。アップル側では、当該技術が含まれる製品全体の価格を規準とすべきとするエリクソン側の主張はおかしいとし、代わりに当該技術を含むプロセッサの価格を基準にすべきと主張。いっぽうエリクソンでは「当事者同士の話し合いでは解決の見込みが立たないため、第三者の判断を仰ぐべきと判断した」などと述べているという。
Reutersでは仮にエリクソン側の主張が認められた場合、アップルには年間20億〜60億クローネ(2億5000万〜7億5000万ドル)程度の支払いを命じられる可能性があるとするアナリストの見方を紹介している。またサムスン(Samsung)が昨年エリクソンとの特許紛争を終わらせるために、年間6億5000万ドル程度のライセンス料支払いに合意したことにも触れているが、ただしこの支払いがアップルが今回訴えを起こしたものと同じ特許を対象にしたものかどうかは不明。
エリクソンは3万5000件を超える通信関連の特許を保有し、年間100社以上のライセンス先から合わせて13億1000万ドル程度の収入があるとReutersは指摘。またBloombergでは、エリクソンの研究開発費が年間約50億ドルに上ると記している。
【参照情報】
・Apple sues Ericsson over LTE wireless telecom patents - Reuters
・Ericsson files complaint against Apple over tech license payments - Reuter
・Apple, Ericsson Sue Each Other Over Phone Patent Royalties - Bloomberg
・Apple, Ericsson in Legal Scrap Over Patents - WSJ
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら