2014年の経済効果は2270億ドル、450万人の雇用創出 - フェイスブックが「自己申告」
2015.01.21
Updated by WirelessWire News編集部 on January 21, 2015, 13:51 pm JST
2015.01.21
Updated by WirelessWire News編集部 on January 21, 2015, 13:51 pm JST
フェイスブックが大手会計事務所デロイト(Deloitte)に依頼した調査の結果が米国時間20日に発表された。それによると、フェイスブックの生み出した経済効果は2014年10月末までの1年間で2270億ドル、また新たな雇用の数は450万人に上るという。
「Facebook's Global Economic Impact」と題されたこの調査では、フェイスブックが提供するサービスが世界経済にどのような影響を及ぼしたかを独自の手法で試算。具体的には、マーケター向けツールや開発者向けのアプリケーションプラットフォームの提供、ユーザーによるネットワーキングやそれにともなうデータ使用量ならびにモバイル端末の活用などがもたらした経済や雇用への影響が測られているという。
現在世界で10億人以上のユーザーがいるフェイスブックでは、昨年の売り上げが推定120億ドルを突破。ただし、1年間で2270億ドルの経済効果、450万人の雇用創出という今回の調査結果には、すでにアナリストらから懐疑的な声も上がっているという。
たとえば、WSJでは「こんな結果に意味はない」とするスタンフォード大学の経済学者、ロジャー・ノル(Roger Noll)氏のコメントが紹介されている。「インターネットへのアクセス環境が整い、利用が増大した結果、Facebookが成長したのであり、Facebookがネットの普及を促したわけではない」などというのが同氏の考え。これに対して、フェイスブックのシェリル・サンドバーグ(Sheryl Sandberg)CFOは、「とくに新興国などでは、Facebookの利用が携帯電話端末購入の主な目的のひとつになっているのは事実」などと反論しているという。なお、同CFOは今週スイスのダヴォスで開かれる「World Economic Forum」でこの調査の結果を公表する予定。
また、WSJでは、同調査で使われた経済効果の算出方法に対して疑問の声が上がっているとし、たとえば「Like」1つあたりの経済効果について、デロイトがFacebookで公開されたイベントの参加者数に平均的な飲食予算を掛けるなどのやり方をしていることや、スマートフォンの売上にフェイスブックが与えた影響について、欧州の調査で「SNSなしでは生きていけない」と答えたスマートフォンユーザーの16%という数字を参考にして全体の6分の1に影響を与えたとしている点などが疑問視されているという。
【参照情報】
・New Deloitte Report Looks at Facebook's Impact on Global Economy, Jobs - Facebook
・Facebook Touts Its 'Economic Impact' but Economists Question Numbers - WSJ
・Facebook thinks it's charged the global economy, but analysts are skeptical - Computerworld
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