ドコモ、混雑エリアでも安定して通信できる「高度化C-RAN」を屋外で検証成功
2015.02.05
Updated by Naohisa Iwamoto on February 5, 2015, 19:40 pm JST
2015.02.05
Updated by Naohisa Iwamoto on February 5, 2015, 19:40 pm JST
NTTドコモは2015年2月5日、駅周辺や大規模商業施設など利用者が密集するエリアの無線容量拡大と通信速度向上を目指す「高度化C-RAN」(Centralized Radio Access Network)のフィールド検証に成功したと発表した。35MHzの帯域幅で、下り240Mbpsのデータ通信が可能なことを確認した。
C-RANは、基地局の制御部を集中設置し、複数の無線装置を統合制御する技術。NTTドコモが開発してきた高度化C-RANは、LTE-Advancedの主要技術である「キャリアアグリゲーション」を利用して、マクロセルとスモールセルを重ねて配置しながらC-RANにより双方を連携させて通信する。混雑するエリアではマクロセルとスモールセルをキャリアアグリゲーションによって同時に利用し、通信速度の低下を解消することを狙う。検証は横須賀地区で実施し、キャリアアグリゲーションで下り最大300Mbpsの通信が可能な「カテゴリ6」対応端末を使って、下り最大240Mbpsのデータ通信を実現した。
ドコモは今回の検証で、フィールドでの高度化C-RANの有効性が確認できたとして、商用ネットワークへの展開を進めるという。具体的には、2015年3月に提供開始を予定しているLTE-Advancedのネットワークに適用し、混雑するエリアでの安定した高速通信を実現する。
また同日、日本電業工作は、ドコモの高度化C-RANに対応した基地局用の小型軽量アンテナと共用器を開発したと発表した。無指向性アンテナ、平面アンテナの2種類を用意し、2周波共用でMIMO対応にするために垂直/水平偏波共用でありながら、小型軽量化を実現したという。
【報道発表資料】
・通信集中エリアを快適にする「高度化C-RAN」の屋外商用環境での検証に成功(NTTドコモ)
・日本電業工作は、スモールセル基地局用小型・軽量アンテナ、共用器を開発、「LTE-Advanced」を実現するNTTドコモのシステムに、初めて採用されました。(日本電業工作、PDF)
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。