米FCC、「ネットワーク中立性」に関する新ルールを採択 - ネット接続事業を「公益事業」扱いに
2015.02.27
Updated by WirelessWire News編集部 on February 27, 2015, 13:56 pm JST
2015.02.27
Updated by WirelessWire News編集部 on February 27, 2015, 13:56 pm JST
米連邦通信委員会(FCC)は現地時間26日に開いた委員の会合のなかで「ネットワーク中立性」に関する新ルール案についての投票を行い、ネット接続事業(ISP事業)を電話などと同じ「公益事業」に分類し直すことなどを盛り込んだ同案を正式に採択した。ただし、FCCによる規制強化に反対しているコムキャスト(Comcast)やベライゾン(Verizon)、AT&Tなどが、新たな訴訟を起こす可能性も高まっているという。
既報の通り、今回正式に採択された新ルールには、ISP事業の区分を現在の「情報サービス」(「Information Services」)から、公益事業などと同じ「通信サービス」(「Telecommunications Services」)に変更することなどが含まれている。この分類変更により、FCCはネットワーク中立性のルールに関してISP事業者を監督する上で必要な法律上の裏付けを手に入れることになる。またネットワーク中立性のルール自体については、ISP事業者が特定のウェブサービスからのトラフィックを遮断することや通信速度を制限すること、対価を得て特定の特定のトラフィックを優先的に取り扱うこと(いわゆる「ファーストレーン」の提供)などを認めないとする項目が盛り込まれている。
このほか、ネットフリックス(Netflix)とコムキャスト(Comcast)との間でみられるようなコンテンツ提供者とISP事業者との相互接続("interconnection")に関する部分についても、FCCは新たに監督を行うことになる。さらにこれまではルールの適用外となっていた携帯通信事業者も新ルールでは規制を受けることになる。
なお、FCCは料金設定などより踏み込んだ規制を行う考えはないことを明らかにしていた。
採択された新ルールは、今後数日中にFCCのウェブサイトに詳細が掲示され、その後連邦官報への掲載から60日後に適用になる見通し。ただし、同ルールの内容に批判的な大手通信事業者による訴訟の可能性に加えて、2016年の米大統領選挙で共和党が勝利した場合、新政権や議会によって今回の決定が覆される可能性をあるとするアナリストの見方もWashington Postでは紹介されている。
[Net Neutrality: Steve Wozniak Calls FCC Decision a Victory for Consumers - Bloomberg]
[The internet just scored a major victory - The Verge]
【参照情報】
・FCC Adopts Strong, Sustainable Rules to Protect the Open Internet - FCC
・The FCC approves strong net neutrality rules - Washington Post
・FCC Approves Net Neutrality Rules, Setting Stage For Legal Battle - WSJ
・In Net Neutrality Victory, F.C.C. Classifies Broadband Internet Service as a Public Utility - NYTimes
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