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交通標識 落書き イメージ

道路標識への落書きが、自動運転車の致命的な誤作動を招く

2017.09.15

Updated by WirelessWire News編集部 on September 15, 2017, 07:00 am JST

もし自動運転車ばかりが走り回る未来社会が来たときには、信号機や道路標識、行き先案内板などは、近距離無線のビーコンになっていて、自動運転車の受信機が無線で情報を受け取るようになるかもしれない。青信号なのか赤信号なのか、「止まれ(STOP)」なのか、「譲れ(YIELD)」なのか、踏切の遮断機は下りているのか...など、標識や踏切、信号の方から無線で状況を知らせることができれば、自動運転車は間違うことなく交通ルールを守った走行ができるだろう。

けれども当分の間、自動運転車は搭載しているレーダーやセンサー、カメラ、GPSなどからの情報を瞬時に分析しながら、速度や方向を変えて、進んだり止まったりするはずだ。そのため、標識を正確に認識することが重要だ。

ワシントン大学の研究者チームが、道路標識に普通の「シール」を貼るだけで、自動運転車に標識を誤認識させられることを示した。八角形をした赤地に白文字の「STOP」という標識に、長方形のシールで「LOVE」とか「HATE」と読み取れる文字を追加するなどの”いたずら”をした場合、自動運転車に搭載されたAI(人工知能)は、「時速45マイル制限」の標識と”勘違い”してしまったという。”勘違い”率はなんと100%だ。

右折を示す、曲がった矢印の標識の矢印(本来は白い色)を、グレーの不明瞭な色に変えた場合も、100%の誤認識し、「一時停止」あるいは「幅員増加」、どちらかに間違えたという。

「止まれ」を時速制限だと認識した場合、自動運転車のカメラが停止線を探して一時停止するは思えない。時速45マイル(=72.4km/h)の高速で通過してしまう恐れが十二分にある。

交通標識に、勝手に図柄を描き込んだ人が、芸術だとか反体制のメッセージだと主張したことがあるが、道路標識へのイタズラ描きは、日本では道路交通法違反だし、諸外国でも同様な罪に問われると思われる。

自動運転車のカメラと画像認識のAIに、落書きや劣化、汚れなどに対する耐性が必要となるのはもちろんだが、人間社会の方では、標識へのイタズラやメンテナンス不足が、自動運転車の「誤作動」を招くという認識が必要となってくるだろう。

<参照情報>
Robust Physical-World Attacks on Machine Learning Models
https://arxiv.org/pdf/1707.08945.pdf

Slight Street Sign Modifications Can Completely Fool Machine Learning Algorithms
http://spectrum.ieee.org/cars-that-think/transportation/sensors/slight-street-sign-modifications-can-fool-machine-learning-algorithms

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