ドコモが防災関連の新技術、BLEでエリア外の通信を可能に、エリアメールの外国語対応も
2015.03.10
Updated by Naohisa Iwamoto on March 10, 2015, 21:17 pm JST
2015.03.10
Updated by Naohisa Iwamoto on March 10, 2015, 21:17 pm JST
NTTドコモは2015年3月10日、東日本大震災から4年が経過するのを機に、防災関連の新しい技術を2つ発表した。1つは、スマートフォンが搭載するBluetooth Low Energy(BLE)を使って、異なるOSのスマートフォンの間でも音声やパケット通信などを可能にするもの。もう1つは、緊急速報「エリアメール」向けに多言語に対応したアプリを試作したというものだ。
BLEは、多くのスマートフォンが対応する近距離無線通規格。これまでは、同種のOSのスマートフォン同士やスマートフォンとBeaconとの間でデータ交換をすることが主流だった。ドコモが開発した技術では、AndroidおよびiOSという異なるOSを搭載したスマートフォンの間で相互に通信が可能になる。さらに音声やパケット通信といった通常にスマートフォンで利用する通信を、携帯電話網を介さずにBLEでやり取りできる。これらの特徴を活用することで、災害時に停電で携帯電話網が一部で利用できないときに、BLEでスマートフォン同士がネットワークを作り、携帯電話網とつながる場所のスマートフォンまで情報を伝達。その上で、災害用伝言板「Googleパーソンファインダー」に登録が可能になる。
ドコモは、この技術についてソフトウエア開発キットを「docomo Developer support」サイトで2015年3月中に公開する予定。今後は、新しい安否情報登録サービスの提供に向けて検討を進めるという。
もう1つがエリアメールの多言語対応。気象庁から配信された緊急地震速報と津波警報について、外国人にも分かりやすく伝えることを目的として、多言語対応の「エリアメール」試作アプリを開発した。試作アプリでは、英語、中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語の5カ国語に対応した。ドコモでは、アプリの実用化に向けた取り組みを引き続き推進するという。
【報道発表資料】
・BLEを活用した携帯電話エリア外でも情報伝達ができる新たな技術を開発
・多言語に対応した緊急速報「エリアメール」の試作アプリを開発
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