【MWC 2015】クアルコム、LTEとWi-Fiのアグリゲーションや5GHz帯のLTE「LTE-U」の成果を展示
2015.03.05
Updated by Naohisa Iwamoto on March 5, 2015, 11:01 am JST
2015.03.05
Updated by Naohisa Iwamoto on March 5, 2015, 11:01 am JST
スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2015(MWC 2015)のクアルコムブースでは、LTEとWi-Fiのアグリゲーション、LTEをWi-Fiなどが使うアンライセンスバンドに適用するLTE-U(LAA)の成果が披露されている。周波数帯域に限りのある中で、通信事業者がキャパシティーを拡大するために、有望視される方策である。
LTEとWi-Fiのリンクアグリゲーションは、既存のWi-FiアクセスポイントをLTEの基地局であるeNodeBにつなぎ込み、LTEとWi-Fiの間でアグリゲーションを実現する技術。Wi-Fiアクセスポイントとスマートフォンなどの端末の間はWi-Fiの電波を使い、LTE基地局でLTEとの間で協調制御しながら通信する。LTEとWi-Fiの双方を同時に活用できることから、スループットの向上に期待ができる。
デモでは、サンディエゴのクアルコム本社敷地内で、走行する自動車の中にLTE/Wi-Fiのリンクアグリゲーションに対応した端末を用意。敷地内を移動してWi-Fiのエリアに入ると、自動的にLTEとWi-Fiのリンクアグリゲーションが実行されてスループットが向上する様子をリアルタイムに示した。
もう1つがWi-Fiなどが使う5GHz帯のアンライセンスバンドに、LTEの無線通信方式を導入するクアルコムが「LTE-U」と呼ぶ方式のデモだ。3GPPのRel.13で規定されているもので、3GPPではLAA(License Assisted Access)と呼ぶ。免許不要のアンライセンスバンドにLTEの通信方式を導入することでキャパシティーの増加が図れるが、既存のWi-Fiへの影響に懸念があった。
クアルコムでは本社にテストベッドを設け、Wi-FiとLTE-Uが5GHz帯で共存する環境を含む複数のシナリオでテストを行うデモを見せている。テスト環境の様子はリアルタイムでMWCのクアルコムブースから確認可能だ。LTE-UがWi-Fiに影響を及ぼさないこと、またクローズドなエリアで5GHz帯からWi-FiをなくしてすべてLTE-Uにすると、LTEの周波数利用効率の高さからトータルのスループットが大幅に向上することが明らかになったことをアピールしていた。
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