YouTubeの子供向けアプリ、「コンテンツと広告の線引きが曖昧」と消費者団体などが問題視
Targeting children with ads is a BIG NO-NO
2015.04.08
Updated by WirelessWire News編集部 on April 8, 2015, 13:00 pm JST
Targeting children with ads is a BIG NO-NO
2015.04.08
Updated by WirelessWire News編集部 on April 8, 2015, 13:00 pm JST
YouTubeが今年2月にリリースした「YouTube Kids」という児童向けアプリに対し、「コンテンツと広告の線引きが曖昧」などとしてそのやり方を問題視する声が米の消費者団体や児童の権利擁護団体などからあがっているという。
「YouTube Kids」には「Thomas the Tank Engine」などのテレビ番組とともにマクドナルド(McDonald's)やマッテル(Mattel)といった各社のブランド・チャネルが含まれている。今回問題になっているのは、このブランド・チャネルで流れる動画が事実上商品の宣伝になっている場合があることで、とくに商品を開封(unboxing)する様子を撮影したユーザー作成動画などでは、動画をアップロードするユーザーに企業側から金銭が渡されているケースもあるという。こうしたやり方は従来のテレビなどでは禁止されていることから、複数の消費者団体などが連邦取引委員会(Federal Trade Commission)に調査を求める構えを見せているという。
Reutersによると、FTCに調査を要請する団体のなかには、デジタル民主主義センター(Center for Digital Democracy)や米国児童青年精神医学アカデミー(American Academy of Child and Adolescent Psychiatry)、消費者同盟(Consumers Union)などが含まれている。またNYTimesでは、あわせて10を超える団体がこの申し立てに加わることになりそうだとしている。
今回の報道に対し、YouTubeの広報担当者はReutersに対し、「YouTube Kidsの開発にあたっては、複数のパートナー団体や児童の権利擁護団体と協力していた」などとコメント。またNYTimesには「アプリ改善のためのフィードバックに応じる用意はあるものの、今回の件では各団体から直接的に指摘を受けたことはない。広告付のコンテンツを無料で子供たちに提供することは受け入れがたいとする主張には同意しかねる。素晴らしいコンテンツを、それにお金を払える家族だけのものにすべきではない」などとコメントしている。
なお、YouTubeの広告売上は昨年約40億ドルと、グーグル全体の約6%を占めるまでに成長していたが、いまだに単体での黒字化には至っていないとする話が2月下旬のWSJ記事で報じられていた。
【参照情報】
・Consumer Groups to Ask F.T.C. to Investigate YouTube Kids App - NYTimes
・Groups urge FTC to investigate YouTube kids video app - Reuters
・YouTube: 1 Billion Viewers, No Profit - WSJ
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら