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欧州連合、ローミング料金撤廃や「ネット中立性」ルールの関連法案を承認

No more roaming charges from 2017

2015.07.01

Updated by WirelessWire News編集部 on July 1, 2015, 13:39 pm JST

欧州連合は現地時間6月30日、EU域内での携帯通信のローミング料金撤廃や「ネット中立性」に関するルールの導入を定めた新たな法案を可決。ローミング料金撤廃については2017年6月15日から実施、「ネット中立性」ルールについては米国のルールよりも通信事業者に寛大なものが適用されることになったという。

ローミング料金撤廃については、欧州議会による当初の提案では2015年末までに実施とされていたものの、EU加盟各国の閣僚で構成する欧州連合理事会(Council of the European Union)では少なくとも2018年まで実施を延期するよう変更を求めていた。そのため、両社の要望の間をとる形で、2017年6月15日という実施期限が盛り込まれたという。

また、欧州の通信事業者に対しては撤廃前の2016年4月までには再度ローミング料金を引き下げることが求められており、具体的には、加算できるローミング料金が通話1分あたり0.05ユーロ、テキストメッセージ1通あたり0.02ユーロ、データ通信1メガバイトあたり0.05ユーロ(いずれも税別)に制限されることになるという。なお、ローミング料金撤廃後も、契約料金の安い、居住国以外の国で携帯電話を登録するなど、ルールの抜け穴を利用した行為はできない見込みだという。

いっぽう、「ネット中立性」ルールについては、データトラフィックの差別的取り扱いは基本的には禁じられるものの、通信事業者がテレビ会議や手術など一部のネット利用に最低限のネット品質を保証する特別サービスを提供することは認められるほか、サイバー攻撃対策やトラフィックの緩和などの目的で一部トラフィックのブロックや制限が認められるなど、米国のルールに比べて緩やかなものとなっている。これらのルールは2016年4月からの適用となるという。

なお、今回可決された法案は今後、欧州議会とEU各国の承認を得た上で正式に法制化される見込み。

【参照情報】
E.U. to End Cellphone Roaming Charges in 2017 - NYTimes
EU agrees to eliminate roaming charges but net neutrality rules disappoint - The Verge
EU Backs Diluted Form of Net Neutrality Law - WSJ

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