中国Eコマース最大手のアリババ（Alibaba）が、クラウドコンピューティング分野に10億ドル程度の投資を計画していることが、現地時間29日にあきらかになった。同市場で先行するアマゾン（Amazon）への追い上げを図る考えだという。

WSJによると、アリババは今年はじめに、同社のクラウド事業「Aliyun」関連で国外初となるデータセンターをシリコンバレーに開設しており、今後は米東部や欧州、中東、シンガポール、日本のもデータセンターを開設していく計画だという。また同社がインテル（Intel）やシンガポール・テレコミュニケーション（Sigapore Telecommunications）などと結んでいる提携関係を他の外部企業にも拡げたい考えとされている。

この話題にふれたFortuneによると、アリババは中国本土と香港の5箇所でデータセンターを稼働させているという。

アリババのダニエル・チャン（Daniel Chang）CEOはWSJに対し、「10億ドルの追加投資は手始めに過ぎない」などとコメント。またAliyunを統括するサイモン・ヒュー（Simon Hu）氏は、「今後3、4年でアマゾンのAWS（Amazon Web Service）に匹敵するサービスを目指す」と述べている。

アマゾンのAWSは今年第2四半期に、前年同期比82%増となる18億2000万ドルの売上を記録し、営業利益も前年同期比約5倍の3億9100万ドルまで増加していた。それに対し、Aliyunの今年1〜3月期の売上は前年同期比82%増の3億8800万元（約6300万ドル）だったという。

アリババが中国以外でのデータセンター開設を狙う理由について、Fortuneでは中国の消費者に商品を売り込みたい海外の企業を支援するためとしている。同時に、10億ドルという投資について、データセンターをひとつつくるだけで終わってしまい兼ねない金額とも指摘している。

【参照情報】
・Alibaba Plans $1 Billion Cloud-Computing Push - WSJ
・Alibaba cloud unit sets sights on Amazon in $1 billion global push - Reuters
・Alibaba ponies up $1 billion to build its Aliyun cloud biz - Fortune