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[2015年第36週]4K液晶搭載などXperia Z5シリーズがお披露目、防災の日に対策多数

2015.09.08

Updated by Naohisa Iwamoto on September 8, 2015, 12:26 pm JST

この週、ソニーはドイツ・ベルリンで開催されたコンシューマーエレクトロニクスショー「IFA 2015」において、Xperiaシリーズの新製品を発表した。5.2インチディスプレイの「Xperia Z5」、4.6インチディスプレイの「Xperia Z5 Compact」は、0.03秒の高速オートフォーカス、指紋センサーの搭載など、従来機種からブラッシュアップを図った。一方、最上位機種として登場する「Xperia Z5 Premium」は、世界で初めて4Kディスプレイ(5.5インチ)を搭載し、4K映像を撮影から再生までまかなえる。いずれも日本市場での発売を予定している(報道発表資料:IFA 2015出展について)。

5Gからセキュリティまで新技術続々

新しい技術に関連したニュースも多かった。中国の富士通研究開発中心と、富士通研究所は、5G向けの技術として1つのセル内で同一無線周波数帯を同時に利用することで通信容量を拡大する技術を開発した。一般に1つの周波数帯域の中では一方通行の通信をする半二重通信が用いられるが、新開発の方式では1つの周波数帯域で同時に送受信を実現する全二重通信を行う。これにより、従来方式に比べて、最大で2倍の通信容量を確保できるようになる(関連記事:5Gで2倍の通信容量を確保、スモールセル内で全二重通信を実現--富士通)。

ノキアのネットワーク事業部門(ノキアネットワークス)は、ノキアネットワークスの日本のR&DセンターでTDDとFDDの両方式のLTEを使って3つの帯域を束ねる3キャリアアグリゲーションの実験に成功したことを発表した。ノキアネットワークスによれば、商用チップセット(クアルコム テクノロジーズ製)を使って、TDD-FDDの3キャリアアグリゲーションの伝送実験に成功したのは、アジアでは初めてとのこと(関連記事:ノキア、日本のR&DセンターでTDD-FDD 3キャリアアグリゲーションの実験に成功)。

日本通信は、スマートフォンやタブレットといったモバイルデバイスに向けたサイバーセキュリティ対策ソリューション「モバイルIDS」の提供を開始するとアナウンスした。モバイルIDSは法人を対象に、まず日本通信が提供するVAIO Phoneに向けて9月18日に提供を開始する。モバイルデバイスにIDSソリューションを搭載するのは世界で初めてのことと日本通信は説明する(関連記事:日本通信、モバイルデバイス向けのセキュリティ対策「モバイルIDS」を法人向けに提供)。

防災対策に各種方策

9月1日の防災の日に、防災対策関連のニュースも多くあった。まず、NTTグループと日本郵政グループが「防災及び災害対処活動に関するNTTグループと日本郵政グループの相互協力に関する協定」を締結した話題から。両グループは平常時から防災に関する協力体制を構築し、災害発生時には被災地の早期復旧と被災者の安心のために相互協力を実施する。参加するのはNTTグループが日本電信電話、東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社、NTTドコモ、NTTコミュニケーションズの5社、日本郵政グループが日本郵政、日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の4社(関連記事:NTTと日本郵政、防災および災害時の相互協力協定を締結)。

がれきが散乱する災害現場で活用することを目的とした災害調査用のロボットのニュースもあった。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)では、災害調査用ロボットの国内での開発事業を支援するプロジェクトを進めており、タウ技研が開発する世界初となるワーム型機構を搭載したロボットを開発した。

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実証実験は、神奈川県相模原市、平塚市など10市で構成される「さがみロボット産業特区」内にある、神奈川県消防学校に設けられた模擬がれき施設で、9月10〜17日の2日間実施される(関連記事:NEDOが世界初”変形する”災害調査ロボットの実証実験を開始)。

また、8月30日から9月5日までの防災週間に合わせて、携帯電話各社では災害用伝言板体験サービスを実施した。

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スマートフォン用に災害用伝言板、音声お届サービス、情報提供をパッケージにしたアプリなどが各社から提供されているので、平時から利用方法の確認などを行っておきたい(関連記事:防災週間に合わせて各社の災害用伝言板体験サービスを実施 鉄道各社は列車停止訓練も)。

ドローンやマイナンバー、法制度への対応は

このほか、1週間の主なトピックを紹介する。

無人航空機(ドローン)の基本的な飛行ルールを定める航空法改正案がが参議院で可決、成立した。法案は昨今の急速な普及によるさまざまな分野での活用が期待されると一方で、落下事案などの発生による安全面における懸念が高まりつつあることを背景に、7月に閣議決定されたものだ(関連記事:改正航空法が参議院で可決成立 住宅密集地やイベント会場でのドローン飛行は原則禁止へ)。

9月3日にマイナンバー法(正式名称:行政手続きにおける特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)の改正案が成立した。同日、内閣府は「マイナンバー(社会保障・税番号)制度に関する世論調査」を公表した。2015年1月の調査と比較すると、「マイナンバー制度」についての認知度は上がっているものの、国民生活に対する具体的なメリットの認知や期待はむしろ下がっていることが明らかになった(関連記事:マイナンバー制度の認知度は上昇するが期待は低下、内閣府が世論調査結果を公表)。

パイオニアは、自動車業界で始めて、スマートフォンと自動車向けビーコン端末を活用したテレマティクス・ソリューション「クルマDEビーコン サービスプラットホーム」の提供を開始する。

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位置情報に加えてドライバーが車を利用するシーン(乗車、運転中、降車)をシステムとして認識し、最適なタイミングでスマートフォンと連携したサービス提供を可能にする(関連記事:パイオニア、自動車向けビーコン端末を活用したテレマティクスサービスプラットフォームを開発)。

ソフトバンクは、「Y!mobile」ブランドのスマートフォンを対象に「データ容量2倍キャンペーン」を実施する。キャンペーンを適用すると、他社からのMNPによる乗り換えでY!mobileのスマートフォンを新規契約した場合、最大2年間にわたり契約した料金プランの2倍のデータ通信容量を利用できる。スマホプランSは1GBから2GBへ、同Mは3GBから6GBへ、同Lは7GBから14GBへと月間の容量が増える(報道発表資料:Y!mobile、「データ容量2倍キャンペーン」の開始について)。

KDDIは、データ定額サービスなどの利用者が「データチャージ」を利用している場合に、0.1GB単位で追加のデータ容量を購入できるサービスをキャンペーンとして提供する。チャージ料金は110円で、手軽にチャージを体験できる(関連記事:KDDI、110円/0.1GB単位でお手軽にデータチャージできるキャンペーンを実施)。

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。