グーグル（Google）は米国時間28日、同社が開発した教育向けツール「Expeditions」を発表。VR（Virtual Reality）技術を利用したこのツールを、世界各国の教育機関向けに当面は無料で提供していくという。

Expeditionsは、ダンボール製のヘッドセット型端末とエイスース（Asus）製のスマートフォン、そしてこれらを操作するタブレット用のソフトウェアからなるキットで、コンテンツにグーグル「Street View」の360度画像を利用することで、児童や生徒がさまざまなVRツアーを体験できるものだという。

グーグルは現時点で100以上のVRツアーを用意しており、その内容はたとえば「ロミオとジュリエット」の舞台となったヴェローナの街や、中国の万里の長城を巡るといったものから、世界的金融危機の引き金となったリーマン・ブラザーズの元本社を訪れるようなものまでさまざまなものが含まれる。また現在VRツアーの新しいコンテンツも開発中で、そのなかには学生が大学のキャンパスを見学したり、仕事の選択やキャリア設計の参考にするためにさまざまな職業の人々の視点を仮想体験するといったものもあるという。

なお、グーグルはExpeditionsの利用方法に関する導入レクチャーを各国の学校で実施する予定で、第一陣としてオーストラリア、ブラジル、ニュージーランド、英国、米国での実施が検討されている。また「Expedtiions」は教育機関向けに当面は無料で提供されるが、グーグルでは将来的にこれを有料で販売していきたい考えだという。

【参照情報】
・Bring virtual reality field trips to your school with Google Expeditions - Google
・Google is offering its virtual reality classroom system to schools for free - The Verge
・Google Virtual-Reality System Aims to Enliven Education - NYTimes