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リヤドバンク、サウジアラビア初のコンタクトレス銀行カードを展開

リヤドバンク、サウジアラビア初のコンタクトレス銀行カードを展開

Updated by 佐藤 仁 on November 6, 2015, 17:02 pm JST

佐藤 仁 hitoshi_sato

2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。

 

20151106-saudi1Image by edward musiak (CC-BY-SA)

サウジアラビアの銀行で最大手のリヤドバンクは、今後同行の全ポートフォリオを、ジェムアルトのClarista コンタクトレスEMVカードに移行することを発表した。これは業界標準のMULTOS OS上で動作するカードで、サウジアラビア初の非接触決済方式となり、リヤドバンクは現地のリテールバンキング市場において明確な差別化を図ることができるようになる。また2015年5月にはマスターカードと提携して「コンタクトレス・デビットカード」の提供が開始されている。

サウジアラビアでも非接触決済向けインフラが構築されつつあり、今回の非接触カード展開の発表により、リヤドバンクはサウジアラビアの銀行で初の非接触カードを導入することとなる。現金を探す煩わしさがなくなり、釣り銭を数えたり、買い物をするのに手持ちの現金が足りるかどうかを考える必要がないことから、サウジアラビアの消費者は、非接触カードでの支払いによる利便性と迅速さを好んでいるとのことだ。ABIリサーチによると、2015 年末までにサウジアラビア国内に非接触決済端末10 万台が設置され、2019 年までには50 万台に増加すると予測されている。

リヤドバンクの上席副社長兼リテール製品およびサービス事業部長であるKhalid Hariry氏は、次のように述べている。「最近、当行はサウジアラビア通貨庁より認可を受けました。この認可基準を満たすデュアルインターフェイスを最初に提案したのがジェムアルトで、これがジェムアルトを採用した決定要因となりました。当行は長年にわたりジェムアルトと良好な提携関係にあり、同社は非接触EMV カードの世界的なリーダーとしての地位を確立していることから、当行の革新的なプロジェクトにジェムアルトを採用したのは自然な成り行きでした。」

ジェムアルトの中東・アフリカ担当社長を務めるEric Claudel氏は、次のように述べている。「サウジアラビア初となる、幅広い層向けで、特に流行に敏感な若年層の消費者に訴求力が高いソリューションを提供することで、リヤドバンクは大きな利益を得ることになるでしょう。当社はモバイルNFC ソリューションへの進化につながる可能性のあるリヤドバンクにおける非接触の戦略の支援に尽力しています。」

▼リヤドバンクの非接触カードは、マスターカードと提携して提供が開始されている。
20151106-saudi-card

 

 

【参照情報】
Riyad Bank launches Saudi Arabia’s first contactless EMV bank card with Gemalto
Riyad Bank Issues the First Conactless Debit Card in Cooperation with MasterCard

 

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