capture image: Apple’s new $99 iPhone battery case is a design embarrassment(The Verge)
「アップル・デザイン」はどこに行った? - 純正iPhoneバッテリーケース発表にThe Vergeが苦言
2015.12.09
Updated by WirelessWire News編集部 on December 9, 2015, 18:11 pm JST
capture image: Apple’s new $99 iPhone battery case is a design embarrassment(The Verge)
2015.12.09
Updated by WirelessWire News編集部 on December 9, 2015, 18:11 pm JST
アップル(Apple)が米国時間8日に発表した「iPhone 6/6s」用の純正バッテリーケース(「Smart Battery Case」)についてはすでにさまざまなところで報じられていると思うが、この製品発表に刺激を受けて書かれたと思われるデザインに関するコラムーー「最近のアップル製品のなかには、なんとも御粗末なデザインのものが目立つ」などとする内容のコラムがThe Vergeに掲載されている。
・What happened to Apple design? - Unapologetically bad - The Verge
このコラムで批判の俎上に載せられているのは、「Smart Battery Case」のほか、「iPad Pro」用に発売されたスタイラス「Pencil」と「Smart Keyboard」、それに先ごろ何年かぶりにリフレッシュされた純正マウス「Magic Mouse 2」。
「Smart Battery Case」については、折角のiPhoneを「苦痛に満ちた変化を経験した別のひどい製品("crappier product")」のようにしてしまう、などと指摘。またケース背面の充電池を覆う出っ張り部分に言及し、「まるでiPhoneがiPodを飲み込んだかのよう」「普通のiPhoneケースのポケットに、クレジットカードなどをたくさん詰め込みすぎたらちょうどああなる」などとこき下ろしている。さらに「そもそもiPhoneのバッテリー(持ち時間)の短さを認めたようなものではないか」などという一節を含む別の記事もあるが、これについては、iPhoneのデザインについてアップルが薄さ優先で内蔵バッテリー容量を犠牲にしているといった以前からの指摘もしくは不満を踏まえたものと思われる。
「Pencil」については、iPad ProのLightningコネクタに直接差し込む充電方法がやり玉に挙げられている。あのやり方では、iPad Proを不意に動かしたりすると「Pencil」側の接続部分が簡単に折れそう、などと指摘されている。ただ、当方でウェブを検索してみると「意図的に折ろうとしないかぎりは折れない」「多少の衝撃は吸収できるように可動部分が設けてある」といった記事も見つかるので、このコラムの筆者がどうしてこの点をあえて俎上に載せることにしたのか、などと却って疑問も湧いてくる。
Smart Keyboardの難点としては、キーボードを折り込んだ部分の出っ張りがやはり問題とされており、「もっとスリムにまとめるやり方もあっただろうに」「マイクロソフト(Microsoft)のSurface Type Coverはもっとフラットなものが何年も前からあるのに」などと記されている。
「Pencil」と同じく充電方法がまずいとされているのが「Magic Mouse 2」で、電池の取り替えが不要になったのはいいが、Lightningケーブルを底面に垂直に差し込むあの方式では充電中に使えない、有線マウスのように使えないのはちょっと困りもの、などという指摘がある。ただし「どちらの製品もかなり短時間で利用可能なレベルまで充電できることを考えると、充電中に使えなくしたのは理解できる」として、その点だけを問題にして購入を思い留まる必要もない、とも記してある。
これらの難点を並べた上で、コラムの筆者は「この種のちょっとした妥協がアップル製品にみられるようになったのは、背面カメラの部分がわずかに出っ張ったiPhone 6からと思える」「スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)のようなディテール部分へのこだわりというのは、どんなに小さな苛立ちの原因(annoyance)も見過ごさずに完璧を目指すことを意味していたはず」「Smart Battery CaseやIPad Pro用アクセサリをみると、『もっといい方法がみつからなかったので、これでいくことにしました』とデザインした人間がそういっているように思えてしまう」などとまとめている。
The Vergeの製品レビューではアップル製品は総じて高得点をとっていて、実際に「携帯電話」カテゴリーでは「iPhone 6/6Plus」が最高点、「iPhone 5」と「iPhone 5s」が次点となっている。またタブレット・カテゴリーの「iPad Pro」、ラップトップ・カテゴリーの「MacBook Pro」(レティナディスプレイ/モデル)も同様。そうした主力商品のレベルの高さに慣れている筆者の目には、ここで挙げられた各製品の難点が妥協の産物、もしくは手抜きの跡と移り、それに我慢がならずに思わず「アップル・デザインに何が起こったのだ?」といった見出しのコラムを書いたのかもしれない・・・内容の是非は別にして、いろいろと想像をかき立てられる文章ではある。
【参照情報】
・What happened to Apple design? - The Verge
・Apple’s new $99 iPhone battery case doesn’t measure up - The Verge
・Apple Smart Battery Case Review: iPhone Battery Life Nearly Doubled - WSJ
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