フェイスブック（Facebook）がインドで提供している同サイトへのデータ通信量無料のアクセスサービス「Free Basics」が、インドの通信規制当局（Telecom Regulatory Authority of India、TRAI）から一時的な停止を命じられていたという。現地時間22日のThe Times of Indiaが報じている。

フェイスブックでは、発展途上地域でのインターネット接続普及を目指した「Internet.org」の取り組みを進めており、このなかでインドでは今年2月から現地の大手通信事業者であるリライアンス・コミュニケーションズ（Reliance Communications）と提携して、フェイスブックを含む一部サイトへの無料アクセスサービスを提供していた。

Economic Timesによれば、TRAIはリライアンスに対し、2週間前に一時停止を命令し、現在「Free Basics」がネット中立性の観点から問題がないかどうかを調査中で、また来月にもネット中立性についての公聴会を開く予定だという。ただし、現地時間23日時点では、ユーザーはまだ「Free Basics」にアクセスできる状態となっているという。なお、フェイスブックは現在インドを含む19ヶ国で「Free Basics」を提供中。

「Free Basics」のように一部サービスへのデータ通信量をサービス事業者が肩代わりする仕組みに対しては、財務力で勝る大手企業に対してベンチャー企業などが不利な立場に置かれる懸念があり、結果的に市場競争の低下など、長期的に一般ユーザーの不利益につながりかねないとする批判の声も上がっていた。

【参照情報】
・Put Facebook's Free Basics service on hold, TRAI tells Reliance Communications - Economic Times
・Facebook’s Free Basics App Has Been Temporarily Banned in India - Re/code
・India has hit the brakes on Facebook’s free internet service - QUARTZ