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Bloombergが情報筋の話として米国時間17日に報じたところによると、グーグル(Google)の親会社であるアルファベット(Alphabet)が、傘下のロボット関連ベンチャー、ボストン・ダイナミクス(Boston Dynamics)の身売りを検討しており、売却先の候補にはトヨタのAI関連R&D部門であるトヨタ・リサーチ・インスティチュート(Toyota Research Institute、TRI)や、物流関連でのロボット導入に積極的なアマゾン(Amazon)などの名前が挙がっているという。

ボストン・ダイナミクスは、Androidの生みの親として知られるアンディ・ルービン(Andy Rubin)氏がグーグル在籍中に次世代ロボット開発プロジェクトを進めていた2013年にグーグルに買収されていたベンチャー企業のひとつ。その後、アルファベットへの組織改編に伴い、現在は同社の研究開発部門にあたるGoogle Xの傘下に置かれている。

Bloombergでは、アルファベットがボストン・ダイナミクスの身売りを模索する理由として主に3つの理由を挙げている。そのひとつは、2014年10月にルービン氏が退社して以降、ボストン・ダイナミクスでの取り組みをアルファベット社内で支援する特定の幹部が不在であることで、もうひとつは同社がアルファベット傘下の他のロボット関連部門(「Replicant」グループと呼ばれる)との協力に積極的でなくグループ内で孤立気味であること。さらにボストン・ダイナミクスが進める取り組みの製品化・収益化のメドが立ちにくいことも理由のひとつとして指摘されている。

またボストン・ダイナミクスがウェブで公開したロボットの動画について、「怖い("terrifying")」「いまにも人間の仕事が奪われそう("ready to take humans’ jobs")」といった否定的な反応が生じていることを懸念したグーグル広報部門幹部の社内向けメールなどもBloombergでは紹介されている。

ボストン・ダイナミクスは、1992年にマサチューセッツ工科大学の元教授、マーク・ライバート(Marc Ribert)氏が立ち上げたロボットベンチャーで、さまざまな地形を移動するロボットや、高速で走行するロボットなどの開発を進めており、また米国防省高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency、DARPA)への技術協力などでも知られる。さらに最近では、雪原をバランスをとって二足歩行する人型のロボットや、2本の手で荷物を持ち上げて移動させるロボットの動画なども話題になっていた。

この話題に触れたQUARTZでは、TRIの名前が売却先候補に挙がっている理由について、同社のトップに就任したギル・プラット(Gill Pratt)氏が前職のDARPA在籍時に「Robotics Challenge」の責任者を務めていた人物である点を指摘。なお、TRIは今月はじめにジェイブリッジ・ロボティクス(Jaybridge Robotics)というMIT発のロボット関連ベンチャーの買収を発表してもいた。

【参照情報】
Google Puts Boston Dynamics Up for Sale in Robotics Retreat - Bloomberg
Alphabet is reportedly selling its robotics subsidiary Boston Dynamics because it’s not making money - QUARTZ
Alphabet reportedly putting robot builder Boston Dynamics up for sale - The Verge
Toyota Just Hired Everyone at This MIT-born Robotics Startup - Fortune

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