capture image: FireChat Alerts(Open Garden)
災害時に「情報のバケツリレー」ー「FireChat Alerts」、米ベンチャーが発表
2016.05.20
Updated by WirelessWire News編集部 on May 20, 2016, 12:50 pm JST
capture image: FireChat Alerts(Open Garden)
2016.05.20
Updated by WirelessWire News編集部 on May 20, 2016, 12:50 pm JST
オープンガーデン(OpenGarden)という米ベンチャーが現地時間19日、緊急時に携帯通信網を使わずに警報や災害情報などを送信できる新たなアプリ「FireChat Alerts」をリリース。自然災害などで通信インフラが停止したり、パンクしたりしている場合などに有用なアプリとして複数の媒体でこの話題が採り上げられている。
The Vergeによると、オープンガーデンが国連の人道問題調整事務所(UN Office for the Coordination of Humanitarian Affairs、UNOCHA)と協力して開発した「FireChat Alerts」は、同社が2014年3月にリリースしたメッセージングアプリ「FireChat」と同じくP2P技術を利用したもので、近くにある端末同士がアドホックなメッシュネットワークをつくることで、通信網を利用せずに警報などの情報を広めることができる。
同アプリを使った通信では、BluetoothやWi-Fi経由でつながった端末同士が情報をバケツリレー式に送受信する。ノードとなる端末は受け取った情報をいったん保存し、その後情報を受け取っていない他の端末と一定距離(約60mとされている)に接近すると、保存した情報を自動的に送信する仕組みだという。
オープンガーデンは、FireChat Alertsを、政府機関や救助隊員、報道機関などが緊急時にテキストや画像で情報を送る際に利用することを想定して開発したとしている。同社によれば、全体の5%のユーザーがこのアプリを利用していた場合、都市部では通常20分ほどで、また人口が密集したエリアでは数分間で情報を行き渡らせることが可能だという。
The Vergeによると、2014年にリリースされたFireChatアプリは累計ダウンロード数が700万回を超えており、香港や台湾での市民デモや、米ネバダ州で行われる「Burning Man」などでも利用されていたことで知られる。また昨年インドのチェンナイ地域であった洪水で通信インフラが停止した際にも、FireChatをつかって連絡を取り合うユーザーが多く存在したという。
【参照情報】
・This app lets rescue workers send offline alerts when disaster strikes - The Verge
・FireChat Alerts could help spread vital information in offline and disaster-stricken areas - TechCrunch
・FireChat Alerts to help people communicate without mobile networks - Economic Times
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