画像はイメージです original image: © Emilia Stasiak - Fotolia.com
携帯電話と発癌の関連性を示唆する新たな研究結果、米政府が発表
2016.05.30
Updated by WirelessWire News編集部 on May 30, 2016, 13:53 pm JST
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2016.05.30
Updated by WirelessWire News編集部 on May 30, 2016, 13:53 pm JST
携帯電話の使用が癌の発生につながる可能性を示唆する研究結果が米国時間26日に米国政府から発表された。両者の関係性を示す決定的な証拠は見つかっていないが、携帯電話が生物に及ぼす影響をめぐる議論が再燃する可能性が浮上しているという。
WSJによると、米政府の国家毒性プログラム(US National Toxicology Program)で行われてきたこの研究では、2500匹を超えるラットやマウスを使い、携帯通信に使用されているGSMやCDMA方式の電波の影響が調査された。その結果、一部のオスのラットにグリオーマと呼ばれる脳の腫瘍や心臓の腫瘍が発生した例が見つかった。ただし、メスのラットや子宮に電磁波を当てたケースでは、腫瘍の発生率の増加はなかったという。
それに対し、Technology Reviewでは、米政府の研究結果とは対照的な結果が出たオーストラリアでの研究にも言及している。この研究は、携帯電話がほぼなかった1982年から人々の携帯電話使用率が90%まで上昇した2012年までの脳腫瘍の発生率を調査したもので、その結果この間に携帯電話の普及率の上昇に関連した脳腫瘍の発生率上昇はみられなかったという。
携帯電話の利用と発がんの危険性をめぐる問題では、2011年にWHO(世界保健機構)が携帯電話を発癌の原因として「ヒトへの発癌性が疑われる」2Bの基準に分類。ただし、この分類には殺虫剤のDDTや一部の野菜の漬物、コーヒーなども含まれており、実際の影響についてははっきりしていないとされていたという。
【参照情報】
・Cellphone-Cancer Link Found in Government Study - WSJ
・U.S. Cellphone Study Fans Cancer Worries - WSJ
・A Connection between Cell Phones and Cancer Has Been Found. Should We Be Worried? - Technology Review
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