ドコモとエリクソン、5Gに向けた「ネットワークスライシング」の実証実験に成功
2016.06.13
Updated by Naohisa Iwamoto on June 13, 2016, 17:58 pm JST
2016.06.13
Updated by Naohisa Iwamoto on June 13, 2016, 17:58 pm JST
NTTドコモとエリクソンは2016年6月13日、第5世代移動通信システム(5G)の実現に向けた要素技術の1つである「ネットワークスライシング」の実証実験に成功したと発表した。6月9日にスウェーデンのエリクソンの施設で実証実験を行い、複数のサービスを1つのネットワークに収容することに成功したという。
▼「ネットワークスライシング」の実証実験のイメージ(NTTドコモのニュースリリースより)
ネットワークスライシング技術は、物理的なネットワーク設備の上に、仮想的なネットワークを複数共存させてサービスを提供するもの。5Gでは、高速性だけでなく、低遅延、高信頼、高セキュリティー、大量の端末の収容など、様々なユースケースが考えられている。それらの要求条件に対して、ネットワークを仮想的にスライス(分割)することで、1つの物理的ネットワークで、要求条件が異なる複数のサービスを提供できるようにする技術である。
ドコモとエリクソンの実証実験では、複数のネットワークスライスを提供するだけでなく、サービスの要求条件に基づいて自律的に最適なネットワークスライスを選択したり、作成したりする機能を追加した。この機能によって、複数の異なるサービスを最適なネットワークスライスを通じて提供することに成功した。
今回の実験では、ドコモがネットワークスライスを選択、作成する機能の設計を行った。エリクソンは同社のクラウド製品を使ってネットワークスライスのサービスを管理する基盤を実装した。ドコモはエリクソンをはじめとする内外のベンダーと協力し、5Gを含めた将来のネットワークに関する技術の開発を進めている。今回のネットワークスライシングの実証実験もその一貫で、2014年9月からエリクソンと共同で検討を進めた成果の1つという。この実証実験の成果は、2016年6月28日~30日にイギリス・ロンドンで開催される「5G world」に出展する。
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。