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米FAA、ドローン商用利用の規準緩和へ - パイロット免許不要に

2016.06.22

Updated by WirelessWire News編集部 on June 22, 2016, 19:50 pm JST

米連邦航空委員会(FAA)が現地時間21日に公開した書簡のなかで、ドローンの商用利用に関する規準を緩和する考えを示したこという。

この話題を採り上げた各報道によると、FAAはこれまで商用ドローンの運行者に義務付けていた「(航空機)パイロット免許の保有」という条件を外し、代わりに運行・操縦に必要とされる知識の有無を調べるテストの合格者に資格証明書を交付するといった変更を実施することで、ドローンの運行に関する敷居を低くする考え。またこれまで飛行に際して必要とされていたFAAへの承認申請も、人口がまばらな地域での飛行では不要になるという(都市部などでの運行には引き続きFAAへの届け出・承認取得が必要)。

Reutersでは、新たなルールが適用される利用目的について、農業や救助活動の支援、電力線、パイプライン、(通信用)アンテナ、橋梁の検査、それに航空写真撮影や各種の研究開発といった活動を挙げている。なお新ルールの適用開始時期は8月後半の予定。

そのほか、運行が認められるドローンのサイズ(25kg未満)や飛行高度(地上から400フィート以下)、パイロットの目の届く範囲での飛行、夜間の飛行禁止といった制限は従来通りで、また新たに時速100マイル以下という速度制限が追加されているという。

米国では、グーグル(Google)やアマゾン(Amazon)、ウォルマート(Wal-Mart)などをはじめとする各社が、ドローンの商用利用にむけて準備を進めているが、今回示された新ルールのなかには、1人の操縦者が1度に運行できるドローンの数を1機とする条項なども含まれており、大規模な利用を視野に入れる各社の間からこれらの制限緩和を求める声が上がる可能性もあるという。

なお、FAAは今回の発表のなかで、ドローンの商用利用解禁により今後10年間で820億ドル以上の経済効果が見込まれ、また10万人を超える新規雇用創出が期待できると記している。

【参照情報】
Press Release – DOT and FAA Finalize Rules for Small Unmanned Aircraft Systems - FAA
New FAA rules mean US companies can fly drones without a pilot's license - The Verge
The US commercial drone industry is finally governed by real rules - QUARTZ
New U.S. rules on small low-altitude commercial drones - Reuters

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