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米FCC、600MHz帯オークションでテレビ局から864億ドル相当の周波数帯を確保

2016.06.30

Updated by WirelessWire News編集部 on June 30, 2016, 11:43 am JST

米連邦通信委員会(FCC)は現地時間29日、同委員会が現在進めている600MHz周波数帯のオークション(インセンティブ・オークション)の途中経過を発表し、第1段階のリバース・オークションで目標としていた126MHzの周波数帯をテレビ放送局から確保したことを明らかにした。テレビ局が手放す周波数帯の価値が合計で864億ドルに上ったことに注目が集まっているようだ。

この話題を採り上げたWSJによると、864億ドルという金額は米携帯通信市場3位のT-モバイル(T-Mobile)およびと4位のスプリント(Sprint)の時価総額を合わせた額よりも多く、今後行われる携帯通信事業者向けの割り当てオークションでこれだけの入札金額が示される可能性は低いという。なお、入札額が提示額に達しなかった場合、FCCはテレビ放送局から取得する周波数帯を減らし、改めて携帯通信事業者向けにオークションを行うことになる。

携帯通信事業者向けの周波数帯割り当てオークションには、ベライゾン(Verizon Communications)やAT&T、T-モバイル(T-Mobile)などの大手携帯通信事業者のほか、ディッシュ(Dish Network)やコムキャスト(Comcast)など多数の事業者が参加の届け出を提出している。ただし、各事業者がオークションで費やす金額については、AT&Tが最大100億ドル、ベライゾンが約50億ドル、T-モバイルが約80億ドルなどとする予想がウェルスファーゴ(Wells Fargo)アナリストから出されているほか、すべての事業者のオファーを合わせても総額で300億ドル程度と見る予想が大方を占めているとWSJは述べている。

なお、携帯通信事業者向けの割り当てオークションで入札額が864億ドルに達した場合、オークションは11月までに完了する見通し。それに対して、入札額が864億ドルを下回った場合は、帯域を手放すテレビ局と割り当てを希望する携帯通信事業者との需給がマッチするまで続けられることになるため、オークションの完了時期は2017年以降にずれ込む見通しだという。

【参照情報】
FCC Acquires Large Swath of TV Airwaves in Auction - WSJ
Huge $86B clearing cost could lead to extended incentive auction - FierceWireless
FCC pegs cost to reallocate TV spectrum for wireless use at $86.4 billion - Reuters

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