Pokémon GOがネットワークにどのような影響を与えるか、プロセラネットワークスのCam Cullen氏(グローバル・マーケティング担当VP)が同社のブログで簡単な分析を試みている。
紹介されているのはヨーロッパのとあるモバイルキャリアの事例で、約200万の加入者がいる。約3時間の平均では、ネットワークに接続されているユーザーの約7%がPokémon GOをプレイしていたという。リリースされたばかりのアプリケーションがこれほど急速に利用者を増やすことはきわめて稀だとしている。
加入者数に対するトラフィックの量はそれほど多くなく、遅延も52ms(4G)/153ms(3G)と悪くない。今のところPokémon GOはネットワークに悪影響を与えていないように見えている。
ただしセッション数という観点では若干懸念材料があるとCullen氏は指摘している。データトラフィック量は全アプリケーション合計の0.1%程度にとどまっているのに対し、セッション数はおよそ1%程度を占めている。つまり、帯域が少ないわりにセッション数を食うアプリだということだ。
提示されているデータによれば、1ユーザーあたりのセッション数でPokemon Goを超えるのはBitTorrent(Cullen氏によれば「セッション消費の化物」なのだそうだ)ぐらいで、DNSやSSLによるウェブ接続に匹敵するとのこと。
「まだサービスが始まったばかりで広告やスポンサーシップがフルに稼働していない状況であることを考慮すべき」であり、プレイヤーをターゲットにしたポップアップ広告やプッシュ通知などが配信されるようになればセッション数は指数関数的に増えると指摘。モバイルキャリアは早めにキャパシティ増強のプランを検討すべきであると警告している。
詳細については原文をごらんいただきたい。
【参照情報】
・Pokemon Go: The latest Internet craze – How is it impacting your network?
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登録はこちらWirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。