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インテル(Intel)がコンピュータ・ビジョン用チップとソフトウェア類を開発するモヴィディウス(Movidius)を買収することになったというニュースが、米国時間5日に複数の媒体で報じられている。

モヴィディウスについては、今年1月にグーグル(Google)との画像認識技術に関する提携のニュースを紹介したことがあった(「グーグル、AI技術を携帯端末に – 画像認識関連のベンチャーと提携」)が、その後3月には、小型ドローン最大手のDJIが前月に発表していた最新モデル「Phantom 4」にモヴィディウスの技術を利用した衝突回避の仕組みが採用されていることが明らかにされ、一部で注目を集めていた。

インテルは今年初めに、同社の「RealSense」3Dカメラ技術を利用するドイツのドローン・メーカー、アセンディング・テクノロジー(Ascending Technologies)を買収(「インテル、独ドローンメーカーのアセンディングを買収」)。また先月開催した「インテルデベロッパーフォーラム(IDF)2016」では同社が昨年出資したドローンメーカー、ユニーク(Yuneec International)の技術なども披露していた。

インテルは今回発表した声明の中で、モヴィディウスの技術と自社の既存技術とを組み合わせることで、ロボット、ドローン、バーチャルリアリティ(VR)端末などの分野に、コンピュータ・ビジョン並びにディープラーニング関連のソリューションを提供していくとしている。また同社はモヴィディウスの技術について、消費電力が少なく高性能なコンピュータ・ビジョン用SoCを実現するものなどとし、この技術をAR/VR/MR(Merged Reality)分野やセキュリティ用カメラなどにも活用していきたい考えを明らかにしている。

3月にThe Vergeが公開していたモヴィディウスに関する記事の中には、同社が2005年にアイルランドで創業された当初は、通常の映画コンテンツを3Dに変換するビジネスなどを手がけていたことや、2013年に「Project Tango」関連でグーグルと提携したことでビジネスとしてブレークするきっかけをつかんだこと、あるいは同社が社内で設計したチップを台湾のファウンドリー大手TSMCに製造委託していることなどが記されている。

また、モヴィディウスはグーグルとの提携を通じて、スマートフォン単体で画像認識用ディープラーニングの計算処理が可能なチップを開発する考えも明らかにしており、こちらの取り組みの行方にも注目が集まりそうだ。

【参照情報】
Intel to Acquire Movidius: Accelerating Computer Vision through RealSense for the Next Wave of Computing - Intel
Movidius + Intel = Vision for the Future of Autonomous Devices - Movidius
Intel is buying Movidius, a startup that makes vision chips for drones and virtual reality - Recode
Intel acquires computer vision firm Movidius to boost RealSense tech - VentureBeat
Intel is buying Movidius, a startup that makes vision chips for drones and virtual reality - Recode
Intel is buying the computer vision company that powers Tango and DJI’s drones - The Verge
Tiny Chipmaker Movidius Has a Tiny Chip That Looms Large - Recode
The revolutionary chipmaker behind Google’s project Tango is now powering DJI’s autonomous drone - The Verge

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