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IoT国際競争力は主要10カ国中で第3位、「スマート工場」や「スマートシティ」に力

2017.03.21

Updated by Naohisa Iwamoto on March 21, 2017, 11:23 am JST

総務省は2017年3月10日に「IoT国際競争力指標」を策定して公表した。この指標によれば、IoT国際競争力指標の日本の総合ランクは米国、中国に次ぐ第3位だった。

総務省では、これまで「ICT国際競争力指標」として、ICT関連のサービス・製品についての日本の市場シェアや輸出額シェアの推移から、国際競争力を測定してきた。新しく策定したIoT国際競争力指標IoTは、ICT国際競争力指標に変更を加えたもの。具体的には、ICT産業を、「スマートシティ関連部材・機器」や「コネクテッドカー関連部材・機器」などの「IoT市場」と、それ以外の「従来のICT市場」とに分けて分析した。またサービス・製品の競争力だけでなく、研究開発やファイナンスといった「潜在的な競争力」を指標に加えたことも特徴となる。総合ランクは、日本、米国、ドイツ、韓国、中国、フランス、オランダ、スウェーデン、フィンランド、台湾の10カ国・地域を対象に算出した。

結果は、総合ランクでは米国、中国、日本の順位となった。4位以下は韓国、台湾、ドイツの順となる。IoT市場と従来のICT市場に分けてランクを見ると、IoT市場では3位と健闘している一方で、従来のICT市場では台湾、韓国に抜かれて6位へと順位を下げる結果となった。これは個別の項目のスコアからも読み取れる結果で、IoTスコアでは7項目中5項目が平均スコアを上回ったのに対して、ICTスコアでは8項目中5項目が平均スコアを下回った。ICT市場では国際競争力が減退している日本だが、IoT市場では日本企業が世界市場を上回る成長を示しており、今後の継続した国際競争力の強化が期待される。

サービス・製品の競争力は、「スマート向上」「スマートシティ」「ヘルスケア」の分野で25%を超える高い市場シェアを持つ。「コネクテッドカー」分野は、市場シェアはまだ低いものの過去2年間の日本の売上高平均成長率は50%を上回る伸びが見られた。潜在的な競争力では、3つの評価指標のうち、「研究開発(エンジニア数)」「ファイナンス(M&A金額)」は増加傾向にあるが、「標準化(IoT標準化団体への参加企業数)」の参加企業数シェアは横ばいだった。

【報道発表資料】
「IoT国際競争力指標」の策定・公表

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。