画像はイメージです original image: © BillionPhotos.com - Fotolia.com
ソニーが独自LPWA、ソフトバンクのIoTが準備段階に、危険なIoT機器の検出ソフト
2017.05.09
Updated by Naohisa Iwamoto on May 9, 2017, 06:25 am JST
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2017.05.09
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大型連休の直前、ネットワークとIoTに関連するニュースが相次いで流れてきた。ソニーは独自のLPWA技術を開発、エリクソンはソフトバンクにIoT向けのコアネットワーク機器のサポートをアナウンス、アプリックスはネットワーク上でセキュリティリスクのあるIoT機器を検出するソフトを開発・提供する。
まずソニーのニュースから。同社は低消費電力で遠距離や高速移動中でも安定して無線通信ができるLPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク技術を独自に開発したと発表した。光ディスクに使われている誤り訂正などのデジタル信号処理技術、テレビチューナーなどに搭載される高周波アナログ回路技術や低消費電力のLSI回路技術など、ソニーのコンシューマエレクトロニクス分野のノウハウを注ぎ込んだもの。通信実験では、障害物がない場合には100km以上の遠距離通信が可能で、また時速100kmの高速移動中にも安定した通信ができたという。コイン電池での動作が可能で、登山や乗船時の位置情報を把握する見守り用途、クルマなどのレンタル事業における資産の監視、ドローンの追跡など、様々なサービスへの応用を想定する。
エリクソンは、ソフトバンクのIoTサプライヤーに選定されたことをアナウンスした。ソフトバンクのCat-M1およびNB-IoTのソリューション用のコアネットワーク機器(Evolved Packet Core)のベンダーとなり、双方のコアネットワークの全国展開をサポートする。具体的には、ソフトバンクが導入している既存のEvolved Packet Coreのソフトウエアを更新することで、Cat-M1に対応。さらに、エリクソンの仮想Evolved Packet Coreとクラウド実行環境を使用してNB-IoTに対応する。これにより、ソフトバンクは費用対効果が高い形でIoTサービスの提供に乗り出すことが可能になり、日本のIoT市場のリードを目論む。
アプリックスはIoTセキュリティスキャナー「Gumwheel(ガムホイール)の提供を5月に始めると発表した。ネットワーク上に接続したIoT機器には、IoT機器をターゲットとするマルウエア「Mirai」の感染に代表されるような、セキュリティ上の問題が潜んでいる可能性が高まっている。Gumwheelは、ネットワーク上のIoT機器をまとめてスキャンすることで、リスクのある機器を検出するもの。メモリー容量やCPUの性能が限られるIoT機器では、セキュリティソフトを稼働させてリスクから守ることは現実的ではない。そのためGumwheelは、ネットワーク上のパソコンなどにインストールすることでIoT機器のリスクを「検出」できるようにした。IoT機器側での準備などは不要で、簡単にスキャンしてリスクのある機器を検出できる。
【報道発表資料】
・独自の低消費電力広域(LPWA)ネットワーク技術を開発
・エリクソン、ソフトバンクのIoTサプライヤーに選定
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