開発のアイデアは、「自分が困っていること」を見つけることから出てくる。券売機が使いづらいと思った時、仕方ないと思わずに、どうすればいいかを考えることが大切だ。
またもう一つ重要なことは、知識を集めて考え抜いた後、頭の拡散をすることである。券売機が使いづらいと思って、券売機のことばかり考えていたら、Suicaのような発明はでてこなかっただろう。いい発想とは、多方面の知識を詰め込んで考え抜いた後、ふっと思いもよらない角度から差し込んでくる解決策のことだ。
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慶応義塾大学・環境情報学部 教授 増井俊之氏の語る「価値創造プロセスを革新するための方法」#6
2015年3月23日(月)19:30~22:00
慶応義塾大学・環境情報学部 教授 増井俊之(ますい としゆき)
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登録はこちら慶應義塾大学環境情報学部教授。1959年生まれ。東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所などでの研究生活を経て、米AppleでiPhoneの日本語入力システムを開発した後、2009年より現職。携帯電話に搭載された日本語予測変換システム『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザーインターフェース研究の第一人者。近著『スマホに満足してますか?』(光文社)では、認知心理学および実世界指向インタフェースの視点から、現在のスマホブームに警鐘を鳴らしつつ、画期的な新しい視点を提供中。