リスクホメオスタシス理論によれば、危険だった物事が安全になると、そのマージンだけ人は大胆になり、危険な行動をするようになる(=リスク補償行動)。実験によれば、無信号交差点で左右から来る車両の存在を知らせる情報をドライバーに提供すると、交差点進入時の左右確認回数が減ることがわかっている。
このリスク補償行動を抑えるためには、(1)知覚するリスクを上げる、(2)目標リスク水準を下げるという2通りのやり方がある。(1)知覚するリスクを上げる方法には、人間の錯視を利用する方法(シークエンスデザイン、錯視ゲート)などがあり、(2)目標リスク水準を下げる方法には、罰則強化や「安全運転って面倒くさいけど楽しい!」と思わせる運転支援システムの導入などがある。
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登録はこちら京都大学大学院 情報学研究科 システム科学専攻 助教。1970年福岡生まれ。1994年京都大学 工学部 精密工学科卒業。1996年京都大学大学院 工学研究科 精密工学専攻 修士課程修了。同年松下電器産業(株)入社。1998年京都大学大学院 情報学研究科 助手、2007年同研究科 助教となり現在に至る。博士(情報学)。人間機械系の研究、とくに自動車の運転支援システムに関する研究に従事している。車両運動力学、制御工学、インタフェース設計論、心理学、ゲームニクス理論などといった複数の分野を横断する学際融合的なアプローチで、運転者に対して、運転技能の向上を促すだけでなく、より良い運転に対する動機づけを行う運転支援システムの構築を目指している。2013年に計測自動制御学会論文賞(友田賞)、2014年に自動車技術会論文賞を受賞。計測自動制御学会、自動車技術会、日本人間工学会、国際交通安全学会、IEEEの会員。