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サブSIMと電子署名で安全な金融取引を実現する「FPoS」、金融機関など6社が実証実験へ

2018.06.01

Updated by Naohisa Iwamoto on June 1, 2018, 10:37 am UTC

銀行の各種サービスやフィンテック企業による金融サービスなど、インターネットを利用した金融取引が拡大している。さらに利用する端末もパソコンからスマートフォンへと移行し、スマートフォンを利用した金融取引で安全・安心と利便性の両立が求められる。そうした中、スマートフォンのSIMカードと電子署名の機能を組み合わせた新プラットフォームの実証実験が始まる。

実証実験を始める新しいプラットフォームは、「FPoS」(Fintech Platform over SIM)と名付けたもの。日本通信、群馬銀行、千葉銀行、徳島銀行、マネーフォワード、サイバートラストの6社が共同で実証実験を行う。実証実験は2018年8月から10月にかけて実施するもので、金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件に採択された。FinTech実証実験ハブは2017年9月に設置された、フィンテックにかかる実証実験を金融庁が支援するスキームである。

FPoSの技術的なポイントは2つ。1つは、日本通信が開発した「サブSIM」を用いること。サブSIMは通信事業者が提要する通信契約用のSIMと同じSIMスロットで併用できるICカードで、既存の通信契約を生かしながら他の機能を提供できる。FPoSでは、サブSIMに電子証明書を搭載することで、契約する通信事業者にかかわらず電子署名の仕組みをSIMによって提供できるようになる。もう1つは、サブSIMを使った認証プラットフォームにサイバートラストが提供するSIOTP(セキュア IoT プラットフォーム)を利用すること。SIOTP認証局とFPoSを連携させることで、認証情報の安全な配布処理などを用いた電子証明書による認証機能を、高度なセキュリティ実装知識がない企業などでも利用できるようにする。

FPoSの実証実験では、スマートフォンを使って銀行やフィンテック企業と各種の銀行取引を実施することの技術面と運用面での実現性と有用性を検証する。安全性確認、利用者の利便性、銀行およびフィンテック企業における導入・運用の容易さ、法令への適合性などが具体的項目となる。スマートフォンを使った金融取引を安全に高い利便性を保って実現できることを実証し、フィンテックに代表される新しい時代の金融取引を活性化する基盤の形成を目指す。

【報道発表資料】
日本通信のFinTechプラットフォームが金融庁の「FinTech実証実験ハブ」の支援案件として決定
Fintech Platform over SIM が金融庁の「FinTech実証実験ハブ」支援案件に採用

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岩元 直久(いわもと・なおひさ)

日経BP社でネットワーク、モバイル、デジタル関連の各種メディアの記者・編集者を経て独立。WirelessWire News編集委員を務めるとともに、フリーランスライターとして雑誌や書籍、Webサイトに幅広く執筆している。