空港でスタッフの音声をAI認識し適切な情報提供--成田と羽田でJALが試験導入
2019.03.13
Updated by Naohisa Iwamoto on March 13, 2019, 12:00 pm JST
2019.03.13
Updated by Naohisa Iwamoto on March 13, 2019, 12:00 pm JST
空港の顧客サービスの向上を目指して、JALがAI(人工知能)を活用した案内支援システムを成田空港と羽田空港の国際線チェックインカウンターに試験導入する。アクセンチュアの協力のもとで同社の「AI HUBプラットフォーム」を採用して開発した。
AIを活用した空港旅客サービス案内の支援システムにより、空港スタッフの業務をスムーズにすることで、顧客満足度の向上を期待する。試験導入するシステムでは、空港スタッフはイヤホンマイクを装着し、タブレット端末を持つ。顧客との対話の中で空港スタッフが発言した内容をAIが聞き取り、その場で必要と判断した情報を自動的にタブレット端末に表示させるという仕組みである。
従来は、乗り継ぎ便を利用する顧客の経由地における荷物の問い合わせや座席のアップグレードの要望、目的地の空港ラウンジの場所など、多様な要望に対して、チェックインのためのシステムとは異なるパソコンや端末、紙の資料などを確認して回答していた。そのため、空港スタッフにとっては業務の負荷となり、顧客には回答までの待ち時間がかかっていた。こうした中でAIを使ったシステムを導入することにより、空港スタッフは顧客と話をするだけでその場に必要な情報をタブレット端末の表示から得られるようになり、スムーズな受け答えが実現できるという。
システムの開発には、アクセンチュアが提供するAI HUBプラットフォームを採用。このプラットフォームでは必要に応じて最適な複数のAIエンジンと業務プロセスを組み合わせることが可能で、今回のシステムでは音声認識エンジンなど複数のAIエンジンを組み合わせて利用している。AI HUBプラットフォームの利用により、AIエンジンを活用した基盤の開発を2週間で終えることができたという。
試験導入は2019年3月末まで継続。評価をした後に、成田空港、羽田空港における本格導入を検討していく。
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