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「Society 5.0」時代の意思決定に脅威インテリジェンスがなぜ必要か

「Society 5.0」時代の意思決定に脅威インテリジェンスがなぜ必要か

2020.03.18

Updated by WirelessWire News編集部 on March 18, 2020, 10:00 am JST Sponsored by 東陽テクニカ セキュリティ&ラボカンパニー

国際大会、国際的イベントの開催国は、サイバー攻撃のターゲットになりやすい。すなわち2019年のラグビーワールドカップから2025年の大阪万博まで国際的イベントが続く日本も、サイバー攻撃のターゲットになるリスクが高まっている。企業や団体はセキュリティ対策に一層の尽力をする必要があるのだ。世界的なイベントがあることに加えて、多くの“モノ”がネットワークにつながった社会が進展していることも、サイバー脅威の影響の深刻さを増す。

東陽テクニカのセキュリティ分野の社内カンパニーであるセキュリティ&ラボカンパニーに所属し、現在は情報セキュリティ大学院大学 後藤研究室のメンバーとして研究活動も並行しているセキュリティ専門家の我妻 敏氏は、「日本では政府が新しい社会の姿としてSociety 5.0を推進し、様々なモノや機器がネットワークにつながる世界が実現されるようになってきている。Society 5.0の世界では、サイバー世界とフィジカル世界が連携し、デジタルツインと呼ばれるシステムが構成される。そうした社会にはメリットだけでなくデメリットもある」と指摘する。

リアル世界の情報をIoT(モノのインターネット)で収集し、サイバー世界に集めたデータをAI(人工知能)などの力を使って解析して、最適な形になるようにリアル世界にフィードバックする。こうしたループがうまく機能すれば社会課題の解決が進み、豊かな社会が形作られる。「しかし、このフィードバックループでは、収集するデータを誰かが狂わせてしまうことで、ループ全体を破滅的な方向に進めることもできる」と我妻氏は語る。渋滞問題を解消するためのシステムがあることで、自動車の衝突が激増するといったリスクをはらんでいるのだ。すなわち、現実に何かが起こる前に間違った分析結果によるフィードバックループを止めなければならない。

「Society 5.0」時代の意思決定に脅威インテリジェンスがなぜ必要か

高まる脅威インテリジェンスの必然性

Society 5.0のサイバー脅威への対応として、「脅威インテリジェンス」が1つの備えとなると我妻氏は説明する。脅威インテリジェンスでは、多くの情報を分析してストーリーを組み立てて洞察を得る。

明白な過去の事例からパターンマッチングして、リスクを検知するような従来手法とは異なる。インターネットなどから多様な情報を入手し、その中に潜む「通常とは異なる何か」を見つけて、何かが起こることにつながるストーリーを提供するのが脅威インテリジェンスというわけだ。「渋滞情報の入力データに異常が含まれていることをデータ分析で突き止められれば、Society 5.0の社会システムに対して事前に対応が可能になる。つながる社会の進展は脅威インテリジェンスの必然性を高める」(我妻氏)。

脅威インテリジェンスが求められるのは、Society 5.0の社会システムに限らない。最近では企業や団体に向けた標的型攻撃がサイバー脅威の主流になってきている。従来のように同じようなウイルスやマルウエアをばらまくサイバー脅威ならば、ウイルス対策ソフトなどで守ることができる。しかし、特定の企業や団体を攻撃するためのテーラーメードの手段は、ウイルス対策ソフトの守りをすり抜けてしまうリスクが高い。見えにくくなってきたサイバー脅威に対応するためにも、既存の防御手段に加えて脅威インテリジェンスを採用することが望ましい。

「Society 5.0」時代の意思決定に脅威インテリジェンスがなぜ必要か

脅威インテリジェンスの必然性、脅威インテリジェンスは企業の意思決定にどのように役立つのか、そして脅威インテリジェンスを活用できる企業文化とは。我妻氏が解説する脅威インテリジェンスの具体的な内容の解説を、以下のリンクから確認して脅威インテリジェンスの認識を深めたい。

【関連情報】
・サイバーセキュリティ2020最前線 「Chapter#02サイバー脅威に脅威インテリジェンスで備える」を公開しました。

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