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米Tupl CEO Petri Hautakangas氏

AIによる運用自動化がもたらすDX、戦略的に仕事を再定義することの価値

2021.10.29

Updated by AI Automation on October 29, 2021, 10:00 am JST Sponsored by Tupl

「日本で言う2025年のデジタルの崖の問題は、米国が2014年に直面していた課題に非常に似ている」。こう語るのは、AIによる自動化ソリューションを提供する米Tupl CEOのPetri Hautakangas氏(以下、Petri氏)だ。日本がいま置かれている状況に酷似した米国のケースを切り抜けてきた1つの解決策が、自動化ソリューションの活用であり、それはデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進と根底でつながっている。デジタルトランスフォーメーションと自動化で、産業が抱える問題を解決するにはどのようなアプローチがあるのだろうか。

サイロ化したデータを分析することの弊害

Petri氏は、まずデジタルトランスフォーメーションの現状について持論を展開する。「デジタルトランスフォーメーション、DXは、ホットでキーポイントな話題だ。米国でも多くのCXOがDXについて検討を進めている。DXに求める優先順位としては、顧客体験の改善を第一に挙げるようになってきている。第2に運用効率化、第3に市場への早期対応を見ている。実は運用効率化が以前は最も優先度が高かったのだが、最近では2位に下がった。といっても、まだ運用効率化がDXのソリューションとして高い重要度を持っていることには変わりはない」。

米Tupl CEO Petri Hautakangas氏

一方で、DXの加速は2つの要因で進んでいるという。1つは新型コロナウイルスの影響で、イノベーションが加速していること。もう1つは、仕事の再定義(Redefining)で、従業員を有効に生かしながら業務の仕方を改めて定義し直していく考えだという。自動化は、DXを支える戦略として重要であり続けているが、役割が少し変わってきている部分がある。「仕事の再定義の視点では、労働力の方向付けがより戦略的になっている。自動化を活用したDXにより一部の業務で労働力のリソースの削減が進む一方で、他の業務では自動化によるDXを推進することで活用する人材が増えるケースがある。より戦略的に仕事を再定義して、自動化による省力化と同時に、注力する業務に人材を当てるようになってきているのだ」(Petri氏)。

Tuplが2014年に設立された理由をPetri氏は、こう語る。「当時の米国では様々な情報が企業内でサイロ化されてバラバラに保存されていた。データを使って問題を解決しようとするエンジニアは、複数のツールにログインして作業をする必要があった。実際、ある米国の大手通信事業者では、1000以上の異なるツールをエンジニアが使いこなさなければならない状況だった。こうした情報のサイロ化がもたらす弊害は、2025年の崖に向かって進んでいる日本の現状と似ていると思う」。

AIによる運用自動化がもたらすDX、戦略的に仕事を再定義することの価値

米国のワシントン州ベルビューで設立したTuplには、ネットワークやソフトウエア、AIのエキスパートが在籍し、主に携帯電話事業者や通信事業者の業務自動化の推進を支援している。現在までに、米国本社のほか、スペイン、ジャパン/APACの計3つの法人を構えている。そんなTuplは、オープンソースの仕組みを使って、顧客のエキスパートの考え方を機械学習して、自動化を実現するソリューションを提供する。

「正確」「迅速」「効率」に加えて「一貫性」という価値を提供

Tuplが何を提供しているかと問うと、Petri氏は「ユーザーのキーとなるペインポイントに焦点を当て、テクノロジーで問題を解決する」と答える。顧客が抱える悩みのタネ、課題を解決することが目的というわけだ。課題解決にはDXが大きな意味を占め、その実現のためにはプラグマティックなアプローチ、すなわち実用的な解を提供することが必要と説く。

Tuplがユーザーに提供できる価値として、Petri氏は4つの具体的な特性を挙げる。1つ目が「ACCURATE:正確性」、2つ目が「FAST:迅速性」、3つ目が「EFFICIENT:効率性」、4つ目が「CONSISTENT:一貫性」である。

AIによる運用自動化がもたらすDX、戦略的に仕事を再定義することの価値

正確性では、「Tuplの自動化ソリューションでは、常に多くのデータを見て分析が可能で、100人のエンジニアよりも正確な分析ができる。実際にユーザーの通信事業者では、No Trouble Found(NTF)、すなわちトラブルがあったけれども原因がわからないという事案を4分の1以上削減できた」(Petri氏)。

迅速性では、「30以上のデータソースを使っても1分以内で即座に回答することが可能だ。マニュアルで同様の分析をすると多くの人手と24時間を超える時間がかかる。すなわち、1000倍の迅速性が得られることで、リアルタイムの決断が可能になり、ユーザーの問題を迅速に解決できるようになる」とPetri氏は説明する。

効率性も注目すべきポイントだろう。実際にTuplユーザーではトラブルの80%は自動的にクローズドループで解決しているという。残りの20%をエンジニアにエスカレーションして判断すればいい。Tuplの運用自動化を導入するプロジェクトのスタート時点では、クローズドループの解決は0%で、100%がエンジニアにエスカレーションするオープンループだったことから、大きな効率性を手に入れられる。

最後の一貫性は、Petri氏が「私が一番好きなところ」だというメリットだ。トラブルに対しての分析や対応は人間がこれまでは対応してきた。頑張って対応したとしても、1000人の人が対応したら、違う判断が出てくることも多い。しかし、「機械学習をベースにしたTuplの自動化ソリューションならば100%一貫した答えが出てくる」とPetri氏。この一貫性は、正確性、迅速性、効率性とは異なる面からユーザーに価値を提供してくれるものになるだろう。

国内でもプロジェクトを進行、通信以外の業種業態にも展開

それでは、Tuplが提供する価値は、どういったユーザーに変革をもたらす可能性があるのだろうか。Tuplのビジョンと戦略をPetri氏はこう説明する。

「ビジョンは、産業革命4.0を促進するためのカタリスト(触媒)になりたいということ。企業や団体には同じような反復作業をしている従業員が多くいる。こうした従業員を、より戦略的な作業にエレベート、向上させていくために、Tuplの自動化ソリューションで貢献したい。Tuplユーザーはソリューションを導入してから、デジタルで一貫性があるプロアクティブなオペレーションを考えられるようになる。問題が起きる前にプロアクティブに対処することで顧客体験を向上させ、企業の価値を高められるようにしていきたい」。

一方の戦略としては、北米と日本を重要なマーケットとして注目しているという。日米を中心に新しいユースケースを積極的に展開する戦略だ。Petri氏は日本市場へのコミットとして、「すでにいくつかのSIerやメーカーなどとTuplのソリューション提供についてパートナー契約を締結している。また実績として、日本の通信事業者向けに約10件のAIプロジェクトを実施している。10件というプロジェクトは、日本での進展として順調な数字だと思う。これから、難しいさらに難しく複雑な問題にチャレンジするところであり、発展に期待している」と語る。

AIによる運用自動化がもたらすDX、戦略的に仕事を再定義することの価値

携帯電話事業者や通信事業者以外への取り組みも進めていく考えだ。Petri氏は、「通信の世界の自動化は一番難しい分野だと思っている、構造化データや非構造化データ、大容量のデータなど多様なデータがあり、これを分析して運用自動化するTuplの経験値は非常に高いものがある。この知見を生かせば、他の業種業態へ自動化ソリューションを適用するのは大きな問題ではないと自負している。他業種でもスケーラブルにソリューションを提供していきたい」と力説する。

日本で特に注目している分野しては、主力である通信事業に加えて、電力やガスなどのユーティリティビジネス、医療介護などのヘルスビジネスがあるという。「Tuplのソリューションを支えるTuplOSは、通信業界に特化したものではなく、どのような業界にも展開可能だ。日本でもそうした強みを生かして、それぞれの業界に強いパートナー企業と手を組みながら事業を展開していく」(Petri氏)。「農林業の社会課題を解決、AIによる運用自動化ソリューションの広がる応用」のように、農業の課題解決への取り組みも始まっている。

デジタル化は実現していても、業務を運用する上でのペインポイントが残されている企業や団体は多い。AIによる運用自動化ソリューションで仕事を再定義し、人間の能力を最大限に生かせるような改革を進めるDXの可能性にも目を向ける必要がありそうだ。

【関連情報】
AIによる運用自動化ソリューションを提供する Tupl(英語版サイト)
Tupl Japan Facebookページ Facebook (Japan)
メールでのお問い合わせはこちらまで sales-japan@tupl.com

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特集:AIによる運用の自動化が拓く世界

複雑化、多様化そして高度化する世界。こうした世界を適切に管理し、価値ある情報を読み取っていくには、人間の能力による対応では限界があります。AI(人工知能)、機械学習による自動化ソリューションを適切に使うことで、多くのインプットから適切な情報を読み取ることが可能になるのです。本特集では、AIによる自動化ソリューションを提供するTupl(トゥプル)が、様々な世界で自動化がもたらす価値についてお伝えします。(提供:Tupl