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豊田 光世( とよだ・みつよ) 新潟大学 朱鷺・自然再生学研究センター 准教授

合意形成学で参加者全員による共創プロセスを体感しよう

Collaborative Thinking: A Path to Environmental Ethics Education

2022.02.09

Updated by Schrodinger on February 9, 2022, 19:00 pm JST

マスメディアが本来持っていたはずの議題設定機能(=このニュースが一番大切なのだ、という主張)が失われ、ソーシャルメディア上では相も変わらず荒んだ言論空間が跳梁跋扈しています。今、私たちに必要なのは、民主的に合意形成していくための態度であり手法でしょう。

豊田先生の専門は「合意形成学」です。様々な立場の人たちが集い、共に考えて意思決定を行うための対話の場のデザインです。佐渡島では「移動談義所」というトキとの共生に向けた話し合いの場づくり、天王川自然再生事業では「水辺づくり座談会」の運営、そして、里海再生のための協働のしくみ「佐渡島加茂湖水系再生研究所」の設立と運営などを通して、地域に根ざした自然再生の実践活動を進めるとともに、その中から見えてくる社会的・倫理的課題について理論化し、多様な人たちが最終的に共創プロセスに集結するためのデザインを研究しています。

自然との共生は現在、全世界的なテーマですが、現実には極めて厳しい決断を求められるケースが多いのはみなさんご存知の通りです。例えばトキ(朱鷺、学名 はNipponia nippon)は、昭和27年に特別天然記念物に指定された大変貴重な保護鳥です。純国産は2003年に絶滅しましたが、中国からの支援をきっかけに現在は自然繁殖ができる状態にまで復活しました。しかし今、そのトキが増えすぎていることが問題になっています。地元の農家にとっては田植えの時期に稲の苗を踏みつぶしてしまう害鳥という側面が強いのです。この利害が相反する事態をどう解決するかに豊田先生の合意形成学が一定の役割を果たしたのだそうです。

一体どんな方法で「みんな納得」したのか、そのあたりのノウハウをお聞きしたいと思います。(竹田)

募集要項
2月16日(水曜日)19:30開始
合意形成学で参加者全員による共創プロセスを体感しよう

合意形成学で参加者全員による共創プロセスを体感しよう

豊田 光世( とよだ・みつよ) 新潟大学 佐渡自然共生科学センター 准教授

東京都出身。米国大学院で環境倫理と哲学対話の研究に従事。帰国後、東京工業大学大学院社会理工学研究科博士課程にて環境倫理と哲学対話を統合し、佐渡島をフィールドとして市民参加の環境保全に向けた合意形成の実装研究を行う。博士(学術)を2009年に取得。兵庫県立大学環境人間学部講師(2010-2013)、東京工業大学グローバルリーダー教育院特任准教授(2014-2015)を経て、2015年9月より現職。

・日程:2022年2月16日(水曜)19:30-21:30(予定)
・講義は最初の30-40分程度。残りの時間を延々と雑談に費やすことで「気楽に参加できる放課後」というコンセプトで実施します。
・Zoomを利用したオンラインオンラインイベントです。前日までに参加URLをメールでお送りします。
・参加費:無料
・お申し込み:こちらのPeatixのページからお申し込みください。


「シュレディンガーの水曜日」は、毎週水曜日19時半に開講するサイエンスカフェです。毎週、国内最高レベルの研究者に最先端の知見をご披露いただきます。下記の4人のレギュラーコメンテータが運営しています。

原正彦(メインキャスター、MC):東京工業大学・物質理工学院応用科学系 教授原正彦(メインコメンテータ、MC):東京工業大学・物質理工学院・応用化学系 教授
1980年東京工業大学・有機材料工学科卒業、1983年修士修了、1988年工学博士。1981年から82年まで英国・マンチェスター大学・物理学科に留学。1985年4月から理化学研究所の高分子化学研究室・研究員。分子素子、エキゾチックナノ材料、局所時空間機能、創発機能(後に揺律機能)などの研究チームを主管、さらに理研-HYU連携研究センター長(韓国ソウル)、連携研究部門長を歴任。現在は東京工業大学教授、地球生命研究所(ELSI)化学進化ラボユニット兼務、理研客員研究員、国連大学客員教授を務める。

今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授今泉洋(レギュラーコメンテータ):武蔵野美術大学・名誉教授
武蔵野美術大学建築学科卒業後、建築の道を歩まず、雑誌や放送などのメディアビジネスに携わり、'80年代に米国でパーソナルコンピュータとネットワークの黎明期を体験。帰国後、出版社でネットワークサービスの運営などをてがけ、'99年に武蔵野美術大学デザイン情報学科創設とともに教授として着任。現在も新たな表現や創造的コラボレーションを可能にする学習の「場」実現に向け活動中。

増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授増井俊之(レギュラーコメンテータ):慶應義塾大学環境情報学部教授
東京大学大学院を修了後、富士通、シャープ、ソニーコンピュータサイエンス研究所、産業技術総合研究所、米Appleにて研究職を歴任。2009年より現職。『POBox』や、簡単にスクリーンショットをアップできる『Gyazo』の開発者としても知られる、日本のユーザインターフェース研究の第一人者だがIT業界ではむしろ「気さくな発明おじさん」として有名。近著に『スマホに満足してますか?(ユーザインタフェースの心理学)(光文社新書)など。

竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人竹田茂(司会進行およびMC):スタイル株式会社代表取締役/WirelessWireNews発行人
日経BP社でのインターネット事業開発の経験を経て、2004年にスタイル株式会社を設立。2010年にWirelessWireNewsを創刊。早稲田大学大学院国際情報通信研究科非常勤講師(1997〜2003年)、独立行政法人情報処理推進機構・AI社会実装推進委員(2017年)、編著に『ネットコミュニティビジネス入門』(日経BP社)、『モビリティと人の未来 自動運転は人を幸せにするか』(平凡社)、近著に『会社をつくれば自由になれる』(インプレス/ミシマ社)、など。

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