画像はイメージです original image: JackF / stock.adobe.com
エリクソンのMWC 2022展示、企業向けのプライベート5GやIoTにも注力
2022.04.05
Updated by Naohisa Iwamoto on April 5, 2022, 14:00 pm JST
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2022.04.05
Updated by Naohisa Iwamoto on April 5, 2022, 14:00 pm JST
エリクソン・ジャパンは2022年3月末に記者説明会を開催し、MWC Barcelona 2022(2022年2月28日~3月3日に開催)のエリクソンブースの展示トピックを紹介した。事業者向けの展示・デモに並んで、プライベート5G(国内のローカル5Gに相当)など企業向けのソリューション、製品の展示にも力を入れたという。
記者説明会ではまず、エリクソン・ジャパンCTOの藤岡雅宣氏が、「エリクソンは3年ぶりにMWCに参加した。例年と同じホール2に6000平方メートルの広大なブースを構え、24エリアで94項目の展示・デモを行った」と概要を報告。ブース入り口には「Imagine Possible Experience」のコーナーを設け、2030年にリアルとデジタルが壁を超える世界を紹介した。これは「日本で言うSociety 5.0のように、フィジカルワールドとサイバーワールドがつながって、絡み合いながら様々なことができるイメージ」と藤岡氏は説明する。
事業者向けのネットワークソリューションや製品では、小型化、省電力化を実現した基地局、マルチバンド無線の製品ラインアップの拡充、下り方向だけでなく上り方向のGbps級の通信の実現、RAN(無線アクセスネットワーク)の仮想化の進展など、最新情報の展示を行ったという。
企業向けの展示としては、「Ericsson Private 5G」がある。「国内で言うローカル5Gのようなスタンドアロンタイプの5Gソリューションの展示をした。1つのラックに、ベースバンドとコアネットワーク装置を格納し、室内用小型アンテナのEricsson Radio Dotなどのアンテナが張り出している構成を採る。お客さんが自らデバイスの利用状況も見られる管理ポータルも用意した。デバイスからソフトウエア、エンドツーエンドのソリューションまで、Ericsson Private 5Gでエコシステムを形作ることができる」(藤岡氏)。
6000平方メートルのブースでは、Ericsson Radio Dotを8台用いて単一のシームレスなセルを構成。カバレッジから外れることなく、シームレスにプライベート5Gが利用できることを展示したという。Ericsson Radio Dot以外にも、マイクロアンテナ、マクロアンテナでプライベート5Gを構成できる。欧州、北米で先行しているが、「国内でも展開を考えている。ローカル5Gに対して、ミッドバンド、SA(スタンドアロン)構成も含めて提供したい」(藤岡氏)。
国内のローカル5G市場に対して藤岡氏は、「日本のローカル5Gユーザーは、コスト意識が高い。現状では小規模企業の自営網の構築というよりも、少し規模が大きな企業に対して通信事業者などを通じた提供が中心になると見込む」と状況を説明した。
このほか、IoTをプラグアンドプレイで手軽に導入できる「IoT Accelerator Connect」の提供開始も現地で紹介したという。IoTのクラウドアプリケーションへの自動的な接続や、通信事業者を選んでeSIMを設定するまでの設定の1クリック程度の簡単な設定など、IoTを簡単に導入できる仕組みを提供する。
「1クリックで事業者を選択し、1クリックでクラウド接続して、直接APIにアクセスすることでデバイスがすぐに起動して利用できる。1個から100万個のデバイスまで、同じ手順でセルラーIoTを実現できるソリューションで、国内でもすでに利用が始まっている」(藤岡氏)。通信事業者への機器やソリューションの提供だけでなく、企業ユーザーに向けた提供も含めて、MWCで国内外の市場に向けてエリクソンが存在感を保ち続けていることをアピールした。
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