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BIツールを導入しただけでは、データの民主化は進まない

2024.03.05

Updated by WirelessWire News編集部 on March 5, 2024, 07:33 am JST

ツールだけが揃っても、データは分析できない

データの民主化を成し遂げるためのアクションとして、BIツールの導入やSQLの教育といったアイディアがよく提案されています。つまり、多くのメンバーがデータを扱えるような設備や教育を整えようということです。多くのメンバーがデータを活用するためにはデータにアクセスする手段が必要であり、BIツールやSQLはその手段として汎用的です。

しかし実際には、BIツールを導入しただけではデータの民主化を達成することはできません。BIツールのようなデータを扱うツールというものは、データの民主化に対してほんの一部の要素でしかないのです。

なぜデータを分析する手段ばかりが話題に上がりやすいのでしょうか? これは、分析をしたことのないほとんどの人が、データをいじることさえできれば分析が可能なのだと勘違いをしているからです。しかし、分析者はそれが間違っていることを知っています。調理方法を知っていても、材料がなければ料理は作れないのです。

ロジスティクスとガバナンスは、データの民主化において重要な要素です。データを活用するためには、分析するデータを準備し、使いやすく整備する必要があります。これは意外と軽視されがちですが必要不可欠な論点です。

なぜ、BIツールのようなデータを分析する手段だけではデータの民主化を達成できないのでしょうか? データを分析するツールを導入すれば多くの人がデータを扱うことができるようになるので、データを活用できそうなものです。しかし、ほとんどの企業においては、分析できる手段だけ用意しても、データを十分に活用することは難しいでしょう。

データを分析するツールを運用するためには、まず分析できるデータを用意するシステムと分析するインフラが必要になります。社内のルールの策定もしなければなりません。個人情報保護や規約違反を犯さないかリーガルチェックをする必要もあるでしょう。こういったロジスティクスやガバナンスの問題は、ツールの導入では解決することができません。これが、データ分析ツールだけではデータの民主化ができない大きな要因です。

※本稿は、モダンタイムズに掲載された記事の抜粋です(この記事の全文を読む)。
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