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英当局、VodafoneとThreeの合併を承認。新会社は5Gインフラへの2兆円規模の投資を約束

5G News Jan 1st. week, 2025

2025.01.06

Updated by Wataru Nakamura on January 6, 2025, 11:35 am JST

英競争・市場庁(CMA)は12月5日、英通信市場3位のVodafoneと4位のThree UKの150億ポンド(約2兆8000億円)規模の合併案を条件付きで承認した。この合併は2025年前半に完了する見込みで、新たに英国最大の携帯通信事業者が誕生する見込みだことになる。

CMAによる承認の条件には、今後8年間での最先端の5Gインフラへの大規模な投資、競合のVirgin Media O2への一部周波数帯の売却、特定のモバイル料金/データプランへの3年間の上限の設定、MVNO向けの事前設定された契約条件の提示などが含まれている。

VodafoneとThree UKは既に、欧州で最も先進的な5G網の構築に110億ポンド(約2兆1000億円)を投資することを約束。新たなネットワークは国内の人口の99%をカバーし、AI技術などの採用により品質や信頼性も大幅に向上するとされている。

VodafoneグループのMargherita Della Valle CEOは「本日の決定により、英国の通信市場に新たな勢力が誕生し、英国にふさわしいネットワーク・インフラを構築するために必要な投資が可能になる」とし、「投資の拡大により、英国は欧州のテレコミュニケーションの最前線に躍り出ることになる」とコメントしている。

この話題を取り上げたReutersは、CMAが合併承認に傾いた理由について「消費者価格の引き下げよりも、経済成長とインフラ投資の優先を望む現政権の意向を汲み取った例」とし、「より優れたネットワークが競争を促進し、経済成長にもポジティブな影響を与える」という両社の主張を受け入れたと指摘している。

資料

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中村 航(なかむら・わたる)

1985年生まれ。福岡県福岡市出身。翻訳者。テクノロジーやファッション、伝統工芸、通信、ゲームなどの分野の翻訳・校正に携わる。WirelessWire Newsでは、主に5G、セキュリティ、DXなどの話題に関連する海外ニュースの収集や記事執筆を担当。趣味は海外旅行とボードゲーム。最近はMリーグとAmong Usに熱中。

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