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ドコモ、世界の主要ベンダーと5Gに関する実験協力に合意

2014.05.08

Updated by Asako Itagaki on May 8, 2014, 17:55 pm JST

5月8日、NTTドコモは、世界の主要ベンダーと第5世代移動通信方式に関する実験で協力することに合意したと発表した。アルカテル-ルーセント、エリクソン、富士通株、NEC、ノキア、サムスンの6社と個別の実験に向けた検討をするとともに、その他ベンダーとの協力も含めた幅広い検討を進める。

2020年のサービス提供を目指す5Gは、10Gbpsを超える通信速度、現在の1000倍を超えるキャパシティ、M2Mを前提とした端末数増加への対応のため、6GHzを超える周波数を有効活用するための技術、単位面積あたりの容量を増大させる技術、M2Mや様々なアプリケーションに適した無線伝送方法など、様々な移動通信技術を検証する必要がある。

各ベンダーと予定する実験内容は以下の通り。

アルカテル-ルーセント:5Gにおけるブロードバンド通信やM2M通信に適した新しい信号波形の候補についての実験。
エリクソン:高周波数帯の利用を想定した新無線インタフェースのコンセプトについての実験。周波数帯としては15GHz帯、周波数帯域幅として400MHz程度を想定し、空間多重とビームフォーミングを併用するMassive MIMO技術により、ユーザ当たり5Gbpsの伝送速度を目指す。
富士通:5Gにおいて単位面積あたりの容量をさらに増大させる目的で、超高密度に配置された光張出し基地局において、単一光張出し局からのデータ送信を前提に複数光張出し局間で協調無線リソーススケジューリングする技術についての実験。
NEC:5Gにおいて単位面積あたりの容量をさらに増大させる目的で、スモールセル向け超多素子アンテナを使用して時間領域において指向性を制御するビームフォーミング技術についての実験。周波数帯として5GHz帯、周波数帯域幅として100MHz程度を想定する。
ノキア:5Gにおけるミリ波の有効利用を想定した超広帯域無線伝送の実験を行う。周波数帯としては70GHz帯(ミリ波)、周波数帯域幅として1GHz程度以上を想定。ミリ波のカバレッジを可能な限り拡張するため、シングルキャリアの信号波形(Null Cyclic Prefix Single Carrier)、及びMassive MIMO技術を活用する。
サムスン:5Gにおける高い周波数帯における安定した超広帯域伝送を実現するため、デジタルとアナログを組み合わせたハイブリッドビームフォーミングを基地局と移動局に適用。移動局に搭載する多素子アンテナは実端末を考慮したサイズとして、移動局を追従するビーム制御技術の実験を行う。周波数帯として28GHz帯、周波数帯域幅として500MHz~1GHzを想定。

▼各ベンダーとの実験の内容(報道発表資料より)
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また、実験を通して、現在ドコモが既に商用開発を進めている高度化C-RANや、ドコモが提唱して3GPP(移動通信システムの標準化プロジェクト)において現在標準化作業が進められているC/U分離に基づくファントムセルのコンセプトをベースとしたマクロ/スモールセルアーキテクチャについても検証を行う。

今後、2014年中にドコモR&Dセンタ(神奈川県横須賀市)などで屋内実験を開始し、2015年以降に屋外実験を開始する予定。実験の結果は、5G関連の世界の研究団体や国際会議、2016年以降に開始される5Gの標準化活動などで、ドコモが提唱するコンセプトの検証結果などとして活用するとともに、より高度な技術の創出と確立に向けた検討において活用する予定としている。

【報道発表資料】
世界主要ベンダーと5G実験で協力

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板垣 朝子(いたがき・あさこ)

WirelessWire News編集委員。独立系SIerにてシステムコンサルティングに従事した後、1995年から情報通信分野を中心にフリーで執筆活動を行う。2010年4月から2017年9月までWirelessWire News編集長。「人と組織と社会の関係を創造的に破壊し、再構築する」ヒト・モノ・コトをつなぐために、自身のメディアOrgannova (https://organnova.jp)を立ち上げる。