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アップル、独パテントトロールの標的に - 賠償金要求額は21億2000万ドル

2014.02.06

Updated by WirelessWire News編集部 on February 6, 2014, 15:14 pm JST

IPコム(IPCom)というドイツの特許管理専門企業(いわゆる「パテントトロール」)が、同社の持つ特許権を侵害したとしてアップルを提訴し、15億7000万ユーロ(21億2000万ドル)の賠償金を求めていることが明らかになった。

欧州時間11日からドイツのマンハイム裁判所(Mannheim Regional Court)で裁判が始まるこの訴訟では、携帯通信ネットワーク関連の「必須標準特許」(FRAND特許)の侵害が争点とされている。問題の特許は、2007年にIPコムがドイツの自動車部品メーカー、ロバート・ボッシュから取得したもので、複数の携帯通信事業者のネットワークへアクセスするための技術や、緊急時にネットワーク負荷が高くなっている際も一部のユーザーに優先アクセスを提供する技術などを対象にしたものも含まれるという。

WSJによれば、IPコムは米国の投資会社フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investments Group)が支援する特許管理企業で、ロバート・ボッシュや日立製作所などから取得した約1200件のモバイル通信関連特許を保有しているという。同社の広報担当者は、15億7000万ユーロの賠償金について、ドイツ国内のみでの特許侵害に関わるものとしているという。

この特許に関しては、アップル、ノキア(Nokia)、HTC、ボーダフォン(Vodafone)、エリクソン(Ericsson)の各社から無効を求める訴えが出されていたが、先月に欧州の特許局でこの訴えが却下されていた。IPコムでは、Apple以外の企業に対する訴訟の準備も進めているという。

パテントトロールが訴訟を起こすケースが近年世界各国で目立っていることに対し、こうした動きを問題視する声も以前から上がっている。また米オバマ政権などでもこうした動きに対策を講じる考えを示している。その一方で、訴訟のターゲットとなることの多い大企業側でも、同様の組織を利用している例もある。たとえばアップルやマイクロソフトなどが設立したロックスター・コンソーシアム(Rockstar Consortium)は旧ノーテル(Nortel)の特許権を管理しており、昨年にはグーグル(Google)などのAndroid陣営各社を相手取った訴訟を起こしていた。

【参照情報】
Apple Hit With $2 Billion Patent Infringement Lawsuit -
Patent troll hits Apple with $2 billion suit. Trial starts next week. - Fortune
Apple faces $2 billion damages claim in Mannheim over wireless patents-- trial on Tuesday (Feb. 11) - FOSS Patent

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