コムキャスト、無線通信分野への参入を検討か(The Information報道)
2014.04.09
Updated by WirelessWire News編集部 on April 9, 2014, 13:28 pm JST
2014.04.09
Updated by WirelessWire News編集部 on April 9, 2014, 13:28 pm JST
米ケーブルテレビ最大手のコムキャスト(Comcast)が、無線通信市場への参入を検討しているとする情報筋の話が米国時間8日にThe Informationで報じられている。
これによると、コムキャストが視野に入れているとされるのは、同社の展開するケーブル網を利用したWi-Fi網を中心として、これに他社から借りた携帯通信網を組み合わせるハイブリッド方式。同社がこのサービスを直接提供することになるのか、それともベライゾン(Verizon Wireless)などの携帯通信事業者にWi-Fiホットスポットなどを提供することになるのかといった点は不明。
Wi-Fi網と携帯通信網とを組み合わせた携帯通信サービスとしては、フランスのイリアド(Iliad)が「Free」というサービスを展開しているほか、米国でもリパブリック・ワイアレス(Republic Wireless)やスクラッチ・ワイアレス(Scratch Wireless)などの各社がサービスの提供を開始している。これらのサービスでは、固定線に接続するWi-Fiホットスポットやフェムトセルでトラフィックの大半をカバーしつつ、足りない部分をMVNOによる携帯通信回線で補うという形がとられている。そのほか、最近ではグーグル(Google)が自社の固定線ブロードバンドサービス「Google Fiber」の展開地域で、同様のサービスを提供する可能性が検討されているという話も報じられていた。
GigaOMによると、コムキャストは昨年半ばから、自社のブロードバンドサービス加入者に対して「Fon」と似たような共有機能を持つWi-Fiアクセスポイント機能付きのルータを提供し始めており、これらも含めた同社のWi-Fiホットスポットはすでに約87万箇所に及ぶという。
また提携先候補の携帯通信事業者については、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)の名前が上がっているという。2012年の4G周波数帯売買以来、良好な関係にあるとされる両社が手を組むことで、コムキャスト側にはケーブルテレビとブロードバンド、固定電話、携帯通信サービスの4つをバンドルして提供できる可能性が生まれる。そのため、コムキャストが携帯通信網の回線をベライゾンから借り受けると同時に、ベライゾンのほうはコムキャストのWi-Fiホットスポットを自社のユーザーに提供するといったことも考えられるという。
【参照情報】
・Seeking an edge with regulators, Comcast dangles the idea of a Wi-Fi-first mobile network - GigaOM
・Comcast reportedly considering Wi-Fi mobile phone service - The Verge
・Comcast Quietly Preps Challenge to Wireless Carriers - The Information
おすすめ記事と編集部のお知らせをお送りします。(毎週月曜日配信)
登録はこちら