アップルのジョナサン・アイブ氏、ソフトウェア・デザイン関連も完全掌握
2014.04.10
Updated by WirelessWire News編集部 on April 10, 2014, 17:10 pm JST
2014.04.10
Updated by WirelessWire News編集部 on April 10, 2014, 17:10 pm JST
アップルで長年ソフトウェア関連のデザインに携わってきたグレッグ・クリスティ(Greg Christie)氏という幹部が同社を退社することが明らかになった。これを受け、チーフデザイナーであるジョナサン・アイブ(Jonathan Ive)氏の権限がさらに拡大するなどとする話が複数の媒体で報じられている。
WSJなどによると、クリスティ氏はこれまでヒューマンインターフェイス・チームの責任者を務めていた人物で、アップル在職歴が18年にも及ぶベテラン幹部。近年ではiPhone関連のソフトウェア設計などにも関わり、「スライド式ロック解除(slide-to-unlock)」機能の開発者のひとりとしても知られているという。ただし、かつてiOS部門を率いていたスコット・フォーストル(Scott Forstall)元SVPの更迭に伴い、一昨年暮れにアイブ氏がハードウェアとソフトウェアの両方を担当するようになってからは、クリスティ氏とアイブ氏との間で摩擦が生じていたなどと9to5 Macは記している。
アップルは昨年リリースした「iOS 7」でソフトウェアUI部分の大幅な見直しを実施。ただし、この刷新については、いわゆる「フラットデザイン」の採用などあくまで表面的なものに過ぎないなどとする批判的な見方も一部にあった。
アップルは例年6月に開催する開発者向けイベント「WWDC」で新しいソフトウェア類を発表してきている。また今年秋の投入が予想される新型iPhone(「iPhone 6」)では液晶画面の大型化などハードウェア中心のアップデートになる公算が大きいとされる。そうしたことを考えあわせると、ハード/ソフトの両面でアイブ氏の意向が全面的に反映された製品が登場するのは来年以降になる可能性が高い。いっぽう、スマートフォン全般に機能が成熟し、製品のコモディティ化=低価格化の傾向も強まるなかで、買い換えにつながるような「目新しい要素」の必要もアップルに限らず増大している。また、とくにアップルでは昨年からiPhone販売台数の頭打ち傾向が強まっており、2010年のiPad以降は新カテゴリーの製品投入も行われていない。こうしたことから、今後アイブ氏に対してはこれまで以上の期待が寄せられることになりそうだ。
【参照情報】
・Apple's Star Designer Jonathan Ive Set to Expand Role - WSJ
・Apple's Chief of Design Jony Ive Expands Authority Over Software - Bloomberg
・Jony Ive shakes up Apple's software design group, iPhone interface creator Greg Christie departing (Update: confirmed) - 9to5 Mac
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