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ネットフリックス、P2P技術を利用したコンテンツ配信を視野に(Ars Technica報道)

2014.04.28

Updated by WirelessWire News編集部 on April 28, 2014, 12:29 pm JST

米ネット動画配信最大手のネットフリックス(Netflix)が、P2P技術を利用したコンテンツ配信システムの導入を視野に入れ、関連技術に詳しいエンジニアの募集を行なっているとする話が米国時間26日にArs Technicaで報じられた。

Ars Technicaによれば、ネットフリックスが募集しているのはP2Pネットワーク分野を専門とするシニアソフトウェアエンジニアで、募集内容にはストリーミング配信に利用できる大規模なP2Pネットワーク技術を研究したり、そうしたネットワークを構築した経験の持ち主、同社のクライアント/ツールキット開発チームと連携しながら、P2Pネットワークをコンテンツ配信システムに統合できる人材、などの希望が記されているという。

ネットフリックスは今のところ、コンテンツ配信にP2P技術を利用する計画を明言していないものの、同社のリード・ハスティング(Reed Hastings)CEOは先月その可能性もあることを示唆していたという。

ネットフリックスのトラフィックは現在、米国のインターネット全体の約3割を占めるまでに増大しているとされ、これに対する費用の負担を求めるブロードバンドプロバイダー(ISP事業者)との摩擦も増えているとされる。また今年2月には、ケーブルテレビ最大手のコムキャスト(Comcast)に対してトラフィック配信料を支払うことで合意し、昨年後半から著しくなっていた加入者へのトラフィック減速・遅滞の問題解決に動き出していた。ただし、ネットフリックスは今のところ、他のISP事業者とは同様の契約を結んでおらず、コムキャストとの契約も無理強いされたものであることを、その後再三にわたって示唆してきている。

ネットフリックスがP2P技術を利用したコンテンツ配信システムを導入した場合、プロバイダー側ではネットフリックスからのトラフィックかどうかの判断が難しいため、トラフィックを遮断したり、速度制限をかけたりすることも困難になる。

この話題に触れたGigaOMでは、ネットフリックスによるP2P技術の導入について、不可能ではないものの、実際には簡単ではないだろうと指摘。米国だけで約3000万とされる同社の加入者や、受信に利用される端末の種類が多岐にわたることをその理由として挙げている。

【参照情報】
Netflix researching "large-scale peer-to-peer technology" for streaming - Ars Technica
Now, there's an idea: Netflix is looking to hire a P2P engineer - GigaOM
How Netflix could defeat Comcast once and for all - BGR

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