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フィットネス・トラッキング・コーチ

2014.06.18

Updated by Kenji Nobukuni on June 18, 2014, 10:30 am JST

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Mushroom Labs社(2013年創業)のMoovは数あるウェアラブル・デバイスの一種で、手首に装着して、ジムなどでの運動を計測するのに使う。単に歩数などの記録を残すのではなく、Moovは動きや姿勢を分析してBluetoothでiOSのアプリに送り、Siriの音声などを使って、AI(人工知能)コーチが運動中に「もっと速く」とか「パンチが弱い」とかいった指示を出してくれる。もちろん記録も残せる。残した記録で他のMoov利用者と競い合うソーシャル機能もある。

ランニングやボクササイズ、ウェイトトレーニング、サイクリング、水泳などに対応しており、対象のエクササイズの種類はゴルフやヨガなど今後も拡張する予定があるようだ。バッテリーは1日1時間、週4日の使用なら2週間程度もつ。

Moovのデバイスは腕時計の本体のような円盤状で、腕時計と違って何も表示してくれない。ディスクは1個から買える(120ドル)が、両手に付けたり、手足に付けると精度が高まるので2個セット(240ドル)もある。それぞれ予約販売価格は69.95ドルと129.95ドル。発売時期はずっと2014年夏とされてきたが、秋に延期されている。開発者向けのSDK(ソフトウェア開発キット)もある。

トラッキング・デバイスは、歩行も睡眠も追いかけるタイプは常に装着することを想定して小さく軽く作る必要があるが、そのためには機能や精度をある程度諦めなければならない。そうするとMoovで使っているような3Dマッピングなどは実現が難しくなる。iOSのデバイスと常時連携し、フィットネスの時間だけ使うのであればこうしたデザイン上の課題をいくつか克服できる。Moovの開発には元Appleのエンジニア、元Microsoftでセンサーを研究していた人が関わっているそうだ。

形はMisfit社のShineなど他のトラッキング・デバイスに似ていなくもないが、リアルタイムで姿勢を正せだのペースを上げろだのと指示を出してくれるものはまだ珍しい。2個セットとなると安価とは言えないが、生身のコーチを雇うのに比べれば安いのかもしれない。

【参照情報】
Moovの予約サイト
Top 5 wearable technology fitness trackers
Meet Moov, the fitness tracker that turns Siri into your new personal trainer

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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