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RFIDで病院を改善

2014.06.25

Updated by Kenji Nobukuni on June 25, 2014, 10:00 am JST

Celebration Health
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フロリダの病院でRFIDタグを使った業務改善の試みが行われている。フロリダ州キシミーのフロリダ・ホスピタル・セレブレーション・ヘルスでは看護師のIDバッジの裏にRFIDを貼り、RTLS(リアルタイム・ロケーティング・システム)で病院内での看護師の動き(いわゆる動線)を分析し、機器の配置、患者のベッドの配列、作業の順序などによって時間をロスしていないか明らかにし、改善しようというものだ。

同病院でのRFIDを使った取り組みは2011年から始まっているが、当初は医療機器の在庫管理などに使われていたようだ。ものだけではなく人も対象となったことで、当初は動きが監視されることに対して反発する声が看護師側から上がったという。常に居場所を知られているなんて囚人のようだし、いつトイレに入ったかまで記録されては当惑する。しかし、シフト勤務の忙しい時間帯に行っていた作業を余裕のある時間帯に移すことで作業が楽になることなどで従業員満足度の向上にも寄与することが分かってきて、理解が得られてきたようだ。

トラッキングされるのは看護師だけでなく医療機器のトラフィック・パターンも追跡されるほか、RFIDではないが冷蔵庫内の温度なども記録される。医療機器の配置、作業フロー、入院患者のグルーピングなど既存の病院の業務効率化だけでなく、病棟を新設する場合の設計にも役立つデータが集まっているとのこと。

ちなみに、看護師が病室に入ると患者のテレビ画面に看護師の氏名、顔写真、役職が表示される機能もあるそうだ。

【参照情報】
病院のニュースリリース
Harnessing RFID to improve doctors' workloads
The Internet of Things gets real

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信國 謙司(のぶくに・けんじ)

NTT、東京めたりっく通信、チャットボイス、NECビッグローブなどでインターネット関連の事業開発に当たり、現在はモバイルヘルスケア関連サービスの事業化を準備中。 訳書:「Asterisk:テレフォニーの未来

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