グーグル、児童ポルノ保持者の逮捕で警察に自主協力 - プライバシー議論再燃か
2014.08.04
Updated by WirelessWire News編集部 on August 4, 2014, 14:58 pm JST
2014.08.04
Updated by WirelessWire News編集部 on August 4, 2014, 14:58 pm JST
グーグル(Google)が、Gmailユーザーのメッセージを自動スキャンし、そのなかに含まれていた児童ポルノを発見、この情報を警察に提供したことで容疑者逮捕に結びついたという出来事が、先ごろ米テキサス州であった。この行為に対して「やりすぎではないか」といった疑問の声も上がっているようだ。
[Houston man charged with child porn possession after Google cyber-tip - KHOU]
グーグルの情報提供をきっかけにヒューストンの警察が逮捕したのは、ジョン・ヘンリー・スキラーン(John Henry Skillern)という41歳の男性。同容疑者は、1994年に幼児への性的暴行で有罪判決を受けた前科の持ち主で、グーグルは同容疑者のメールのなかに3枚の児童ポルノ画像が含まれているのを発見し、この情報を非営利団体のNational Center for Missing and Exploited Children(NCMEC) に提供。同団体がこれを警察に知らせたことで、警察は同容疑者の家宅捜索に乗り出すことになったという。この捜査を担当したヒューストン警察のデビッド・ネトルズ(David Nettles)という刑事は、「容疑者はわれわれの目をかいくぐろうとしていた。問題の写真をメールの内部に隠そうとしていた。われわれはその情報(写真)を目にすることはできないが、グーグルにはそれができる」などと地元テレビ局のインタビューに答えたという。
グーグルでは今年4月に利用規約を更新し、Gmailユーザーのメッセージや同社サービスにアップロードしたコンテンツなどが自動スキャンの対象になることを告知していた。また連邦政府や一部の州の法律では、グーグルのようなウェブサービス事業者に対し、児童ポルノ写真を発見した際にその報告を義務づける規定が盛り込まれているものの、今回の一件ではグーグルが自社の技術を使って、NCMECの「Cybertipline」という取り組み(行方不明児童捜索の取り組み)に積極的に協力している形跡が伺えることから、Business Insiderでは「そこまで進んで行う必要があるのか」といった疑問を呈している。
いっぽうCNETでは、先月Instagramに投稿した自分の子供の写真が「不適当な画像」に当たると誤って判断され、その後も批難を浴びていた英国人の母親の例に触れながら、こうした監視のアプローチには「誤用の危険が内在する」と指摘し、現在ではグーグルの判断ミスがないことを願うしかない状況などと記している。
【参照情報】
・Houston man charged with child porn possession after Google cyber-tip - KHOU
・Did Google Go Too Far? - Business Insideer
・Google sees alleged child porn in man's email, alerts police - CNET
・'How COULD anyone think this photo is anything but innocent?' - Daily Mail
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