GTアドバンストが会社更生手続申請 - アップルへの影響懸念
2014.10.07
Updated by WirelessWire News編集部 on October 7, 2014, 12:27 pm JST
2014.10.07
Updated by WirelessWire News編集部 on October 7, 2014, 12:27 pm JST
アップルと昨年11月に提携を発表したGTアドバンスト・テクノロジー(GT Advanced Technologies:以下、GTアドバンスト)が米国時間6日、米連邦倒産法第11章(「チャプター11」)に基づく会社更生手続を申請したことが明らかになった。
GTアドバンストは人工サファイアの製造を手がけるベンチャー企業で、昨年11月にはアップルと5年間にわたる提携契約を結び、その一環としてアリゾナ州での新工場建設も明らかにしていた。またこの工場で作られるサファイヤクリスタル・ディスプレイの用途について、これまで「iPhone」や「Apple Watch」など複数のアップル製品の可能性も取り沙汰されていた。
ただし、今年8月にはこの新工場のフル操業が来年以降になることが投資家に伝えられており、また一部で期待されていた新型iPhoneへのサファイヤクリスタル採用も見送られたことなどもあり、同社の株価は大幅低下。この話題を採り上げたThe Guardian記事によると、9月9日のiPhone発表後から先週末までにGTアドバンストの株価は36%も低下していたという。
今回の会社更生手続がアップルに与える影響についてはいまのところ不明とされている。ただし、アップルとの関係について「何かが根本的に崩れたように見える」とする証券アナリストのコメントや、GTアドバンストが「アップルの関連銘柄として少し前まで株式市場でもてはやされていたことを考えると、今回の手続き申請は意表を突く動き」などとする別のアナリストのコメントも紹介されている。
アップルからGTアドバンストにわたった資金の総額は現時点で4億3900万ドル、また10月には1億3900万ドルの支払いも予定されているという。
アップルは来年投入予定の「Apple Watch」に関し、傷に対する強度の点などで強化ガラスを上回るサファイアクリスタルを上位2機種に採用するとみられている。そのため、GTアドバンスト以外の供給元を確保していない場合には、同社の再建を後押ししたり、場合によっては全体を買い取ることを迫られる可能性もあるとThe Guardianは記している。
【参照情報】
・Apple sapphire supplier files for bankruptcy protection - The Guardian
・Apple sapphire crystal supplier GT Advanced files for bankruptcy - 9to5mac
・Apple Sapphire Partner GT Advanced Files for Bankruptcy Protection - WSJ
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