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米FBI長官、テクノロジー企業によるユーザーデータ暗号化の動きを非難 - 法改正を要求

2014.10.20

Updated by WirelessWire News編集部 on October 20, 2014, 13:29 pm JST

モバイル端末内のユーザーデータ暗号化を進めるアップル(Apple)やグーグル(Google)の動きに対し、米の警察・司法関係者の間で懸念や批判の声が高まっているのは既報のとおりだが、これに関連して米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コメイ(James Comey)長官が現地時間16日、こうしたテクノロジー企業の動きを制限するための法改正の必要性を主張したという。

同長官はこの日のスピーチのなかで、「米議会と法改正についての協議を始められるよう望んでいる」と発言。また「スノーデン事件の反動が捜査当局への恐れや不信という方向に行き過ぎている」と語り、「自由と安全との適切なバランスをどのようにとるか」「捜査令状を持った捜査官が容疑者の電話やテキストメッセージ、携帯電話内の写真や動画などを傍受できるようすべきか」などの問題について、国全体での議論が必要と主張したという。

米警察当局の捜査に企業の協力を求める法律に関しては、1994年に制定された通信盗聴援助法(Communications Assistance for Law Enforcement Act、CALEA)があり、現在有線および無線の通信事業者、ブロードバンドサービス事業者、インターネット電話サービス事業者などが当局への協力を義務付けられている。コメイ長官は、このCALEAの適用の幅をアップルやグーグルなどのテクノロジー企業にも広げ、合法的な傍受に協力することを義務付けたい考えだという。

ユーザーデータの暗号化をめぐっては、アップルが9月半ばにリリースした「iOS 8」で、ユーザー自身による指紋認証もしくはパスコード入力がなければ、データにまったくアクセスできないように仕組みを変更していた。また、それに続いてグーグルも同様の保護策を次期バージョンの「Android L」で導入する考えを明らかにしていた。

これに対し、コメイ長官は誘拐やテロ行為など人命が関わる例に触れながら、新たなプライバシー保護策により、端末のユーザー自身がパスコードを明らかにしなければ、捜査当局では必要な情報の確保も難しくなるなどと指摘。さらに、そうした機能をアップルやグーグルが明示的に売り込もうとしている点を批難していたことが伝えられていた。

【参照情報】
- Washington Post
http://www.washingtonpost.com/world/national-security/fbi-director-tech-companies-should-be-required-to-make-devices-wire-tap-friendly/2014/10/16/93244408-555c-11e4-892e-602188e70e9c_story.html">FBI director: Tech companies should be required to make
James Comey, F.B.I. Director, Hints at Action as Cellphone Data Is Locked - NYTimes
FBI Director Calls on "Good People" of Apple, Google to Dump New Encryption - Re/code

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