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米AWS-3帯のオークション、開始から1週間で入札額が240億ドルを突破

2014.11.20

Updated by WirelessWire News編集部 on November 20, 2014, 12:33 pm JST

米国時間13日に入札が始まった「AWS-3バンド」(1695-1710 MHz、1755-1780 MHz、2155-2180 MHz)オークションの入札金額が、19日午後時点で240億ドルを突破したという。米で実施された周波数帯オークションの過去最高額は、800MHz帯を割り当てた2008年オークションの196億ドルで、今回のオークションではこの過去最高額を上回る入札金額になることがほぼ確実な情勢となっているようだ。

Re/codeによると、13日に始まった同オークションは、開始から4日間で米連邦政府の設定した最低落札額の100億ドルを越え、その後18日には1日で75億ドル、19日にはさらに77億ドル上昇したという。FCCはオークション終了まで落札者の名前を明かすことはないため、現時点では入札参加者の身元や入札金額は不明、また今後数週間は入札が続く見通しとされている。

「AWS-3バンド」は米国土安全保障省(Department of Homeland Security)など複数の政府機関が保有していた周波数帯域で、今回のオークションによる割当完了後には、民間の携帯通信事業者と政府機関とが共用する初めての周波数帯となる。

今回の周波数帯オークションには80社が参加を申請しており、ベライゾン・ワイアレス(Verizon Wireless)、AT&T、T-モバイル(T-Mobile)の携帯通信大手3社のほか、同市場への参入を目指すディッシュ・ネットワーク(Dish Network:以下、ディッシュ)、それに複数の小規模携帯通信事業者が参加の意向を示していた。

Bloombergによると、「AWS-3帯」に近い周波数帯を多く保有しているディッシュは、今回のオークションの結果次第で含み資産の大幅な上昇が期待できることから、同社は複数のグループを通じて入札に参加している可能性があるという。ディッシュの保有する周波数帯の価値について、JPモルガン(JPMorgan)アナリストのフィリップ・キュージック(Philip Cusick)氏は、少なくとも200億ドルの水準まで上昇しているとする見方を示している。

FCCでは、2016年に600MHz帯のオークションーーテレビ地上波放送用の秋波帯を、データ通信用に再割り当てするいわゆる「インセンティブ・オークション」を予定しており、今回のオークションの結果がそちらにも大きな影響を与えるとみられるという。

なお、米国政府は今回のオークションで得られる収入のなかから、警察・消防用の通信網である「FirstNet」の構築費用に70億ドルを割り当て、残りは赤字削減にあてる予定だという。

【参照情報】
Wireless Auction Attracts Whopping $24 Billion in Bids So Far - Re/code
Record-Breaking Prices in U.S. Airwaves Auction Bolster Dish - Bloomberg

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