富士通:フランス版 "らくらくスマートフォン"「STYLISTIC S01」、販売網拡大
2013.11.05
Updated by Hitoshi Sato on November 5, 2013, 17:19 pm JST
2013.11.05
Updated by Hitoshi Sato on November 5, 2013, 17:19 pm JST
富士通の海外向け"らくらくスマートフォン"こと「STYLISTIC S01」は2013年6月13日にフランスの通信キャリアOrangeより発売された。同製品はフランスにおいてもシンプルな操作性、見やすさ、聞こえやすさを大きな特徴としている。大きなボタンやアイコンを配し、「押す」と「触れる」を識別できる「プレタッチパネル」を採用したスマートフォンで、日本国内で提供されている「らくらくスマートフォン」をベースにしたモデルとなる。そして防水防塵である。 価格は、販売当初Orangeとの2年契約で89.90ユーロ(特別価格。約12,000円)であった。
その「STYLISTIC S01」の販売網が2013年10月からフランス全土250店に拡大したと発表した。発売当初の2013年6月は90店舗だった。また、専用コミュニティ「Forum」は、「STYLISTIC S01」の利用者の62%の方が利用し、料理・健康などのテーマに高い関心が寄せられているとのことである。
日本国内で累計販売台数2,000万台の実績を誇る「らくらくホンシリーズ」で富士通が10年以上にわたって培ってきた技術・ノウハウにより、電話としての受話音(音質、音量、話す速度)の聞きやすさ、スマートデバイスとしてのタッチパネルの押しやすさ、サービスの使いやすさなどが評価されている。
また日本では当たり前のようになった「防水防塵」機能も海外ではまだ新鮮である。富士通は防水の分野でも日本の端末メーカーの先駆けのような存在であり、水没しても大丈夫な端末「防水ケータイ」ということで富士通の携帯電話を購入したという人も多いのではないだろうか。
富士通がらくらくスマホ「STYLISTIC S01」を投入しているフランスの人口構成を見ていこう。フランスの人口は約6,600万。平均年齢は40.6歳(男性39.1歳、女性42.1歳)である。
▼(図1)フランスの人口ピラミッドと人口構成
先進国以外にも新興国でも少子高齢化が問題になってきている。しかし、そこには新たなビジネスチャンスも多く存在するであろう。
2013年夏には日本を代表する携帯電話メーカーであったNECとパナソニックがスマートフォン市場から撤退することを表明した。かつて10年前には日本メーカーは10社以上が存在していたが、今では数社程度である。
世界中で携帯電話、スマートフォンはコモディティ化してきており、新興国でも地場のメーカーが台頭してきている。さらに中古端末市場も活性化している。ますますメーカーごと、端末ごとの差別化が難しくなってきている。そのような市場環境だが、今後も富士通には日本市場で培った技術力とノウハウを活かして日本を代表する携帯電話メーカーとして海外市場に挑んで頂きたい。これらは世界市場においても大きな差別化になりうるだろう。「さすが日本の端末は素晴らしい!」という声が海外から聞こえてくることを楽しみにしている。
▼「STYLISTIC S01」現地でのテレビCM
【参照情報】
・ Expand Your World (FMWORLD.NET)
・フランステレコム(Orange)と富士通、スマートフォン「STYLISTIC S01」新発売(富士通 報道発表資料)
・スマートフォン「STYLISTIC S01」、Orangeが取扱店舗を拡大(富士通 報道発表資料)
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登録はこちら2010年12月より情報通信総合研究所にてグローバルガバナンスにおける情報通信の果たす役割や技術動向に関する調査・研究に従事している。情報通信技術の発展によって世界は大きく変わってきたが、それらはグローバルガバナンスの中でどのような位置付けにあるのか、そして国際秩序と日本社会にどのような影響を与えて、未来をどのように変えていくのかを研究している。修士(国際政治学)、修士(社会デザイン学)。近著では「情報通信アウトルック2014:ICTの浸透が変える未来」(NTT出版・共著)、「情報通信アウトルック2013:ビッグデータが社会を変える」(NTT出版・共著)など。