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[2011年 第3週]国内では安い通話がトレンド? アジアとの連携も進む

2011.01.24

Updated by WirelessWire News編集部 on January 24, 2011, 10:00 am JST

この冬一番の寒さといった天気予報が定着した1月中旬、国内のワイヤレス関連のニュースでは寒さを吹き飛ばすような超ホットなものはお目見えしていない。そうした中で、年末に発表されて、正式にサービス開始がアナウンスされた日本通信のモバイルIP電話サービスはエポックメイキングなものになりそうだ。

通話が安くできることが"電話"の原点

201101241000-1.jpgスマートフォンであれ、一般の携帯電話であれ、その最大の機能の1つに通話がある。通話の低料金化はモバイルユーザーの誰もが望むところだ。日本通信が1月28日からサービスを開始すると発表した、携帯電話網を利用したモバイルIP電話サービス「モバイルIPフォン」。サービスは「通話料金は携帯電話の半額」(日本通信の三田聖二社長)を目指した。具体的には、月額換算で2128円になるデータ通信SIMを利用し、月額490円の基本料金(15分の無料通話を含む)で音声サービスが利用できる。通話料金は30秒あたり10円。携帯電話事業者の最も一般的な料金体系の半額で通話ができる。携帯電話のデータ通信ネットワークを使って、モバイルIP電話を本格サービスとして提供するのは世界初という。携帯電話の世界を変える可能性を秘めたサービスが、いま船出をする(関連記事:日本通信、モバイルIP電話サービスを1月28日に開始)。

ウィルコムの通話無料オプション「だれとでも定額」。これを広めるためのキャンペーンが追加された。期間限定の「もう1台無料キャンペーン」で、1台を契約すると、2台目の新規契約事務手数料(3150円)、新ウィルコム定額プランSの月額料金(1450円)が無料になる。実施期間は1月21日〜5月31日(関連記事:ウィルコム、2台新規加入で2台目の月額料金が無料になるキャンペーン)。前週にアナウンスされた紹介キャンペーンと併せて、ジリ貧が続くPHSサービスへの顧客取り込みを活性化さる。

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顕在化してきたアジアとの提携

201101241000-2.jpgNTTドコモ、中国チャイナモバイル、韓国KTは、3社による事業協力関係の構築に関する契約を1月18日に締結した。事業のグローバル化やスマートフォンの台頭といった事業環境の変化に協力して対応していく狙いだ。国際ローミング、法人サービス、LTEなどのネットワーク技術、スマートフォン、サービスプラットフォームの共通化などの多方面にわたり、協力関係を構築する意向だ(関連記事:NTTドコモ、チャイナモバイルおよびKTと3社でLTEやスマートフォンなど事業協力へ)。

NTTドコモに先立ち、NECは中国の武漢郵電科学研究院(Wuhan Research Institute of Post and Telecommunications:WRI)と協業することで合意したことを発表している。協業するのは、LTEインフラの開発から製造、販売、保守サポートなど。協業では、中国で採用されているTD-LTEと、日本などで利用されるFD-LTE方式の双方に対応した無線基地局、保守監視システム、運用システムを対象とする。これらのシステムは2011年下期をメドに製品化する計画だ(関連記事:NEC、LTEインフラ分野で中国WRIと協業 2011年下期を目処に製品化)。

Xperiaがマルチタッチ対応、クラウド型サービスも登場

201101241000-3.jpgNTTドコモは、スマートフォン「Xperia SO-01B」のアップデートを1月19日に実施、Xperiaでは待望されていたマルチタッチ操作に対応させた。プリインストールアプリでは、ブラウザ、マップ、OfficeSuite、Moxierメールがマルチタッチ操作で利用できるようになる。XperiaはAndroid端末のビッグセールスになっている端末でありながら、マルチタッチ操作への対応が遅れていた(関連記事:NTTドコモ、Xperiaでマルチタッチできるアップデート1月19日に実施)。

同じくNTTドコモは、スマートフォンなどで利用できる法人向けの「クラウド型グループウェアサービス」を開発、2011年4月に提供する。スマートフォンを端末として、「メール」「スケジューラ」「ドキュメント共有」「営業日報」「住所録」「ToDo・伝言メモ」の各機能を利用できる(関連記事:スマートフォンで使えるグループウエア、NTTドコモがクラウド型で提供へ)。

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セキュリティ面での対応にも進展

携帯電話やスマートフォンを安全に使うためのセキュリティ対策の取り組みも進んでいる。KDDIは、法人ユーザーを対象としてスマートフォン向けの2種類のセキュリティサービスを提供する。遠隔で端末のロックができる「リモートロック for IS series」を2月中旬に試験提供、複数のセキュリティ機能をセットにした「ビジネス便利パック for Android」を6月に提供する。

またKDDIは、ラックおよびNPO日本ネットワークセキュリティ協会と共同で、スマートフォンを安全に利用することを目的とした「スマートフォンセキュリティフォーラム(仮称)」の設立に向けて、準備会を発足することも発表している。企業などでスマートフォンを利用する際のセキュリティ上の課題を解決するための活動を行う。準備会は2月1日に発足し、追加メンバーの募集も行う(関連記事:KDDI、スマートフォンにリモートロックなどのセキュリティサービスを提供)。

コンシューマ向けのサービスもある。NTTドコモは、アクセス制限サービスのカスタマイズ機能の拡充を発表した。iモードメールの送受信が時間帯で制限できるようになる。時間設定では、1時間単位の制限時間を2つのパターンで設定でき、平日と休日のパターンを用意し、学校に行っている時間と就寝時間にサイト閲覧ならびにiモードメールの利用を制限するといった利用法がある(関連記事:NTTドコモ、iモードメールのアクセス制限に時間帯制限を追加)。

また、KDDIはau携帯電話の契約者情報または利用者情報を利用してコンテンツ利用者の年齢を認証する「年齢確認サービス」の提供をアナウンスした。1月下旬以降に対象となるコンテンツで提供を開始する。まず、KDDIとグリーと共同で運営する「au one GREE」で1月下旬から年齢確認サービスに対応する。その後、ミクシィが提供する「mixi」が2月に、ディー・エヌ・エーが提供する「モバゲータウン」が3月以降に対応予定。その後、順次対応サイトを増やしていく計画だ(関連記事:KDDI、携帯電話の利用者情報を使ってコンテンツ利用者の年齢確認を確実にするサービス)。

九州新幹線のトンネルでも携帯電話が使えます

NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルの携帯電話事業者4社は、3月12日に博多〜鹿児島中央の全線が開業する九州新幹線のトンネル内で、携帯電話サービスを利用できるようにする。携帯電話のエリアになるのは、博多〜新鳥栖間にある3つのトンネルである(関連記事:九州新幹線のトンネル内を携帯電話サービスエリアに)。

使えるようになるところがあれば、終了するサービスもある。KDDIは、法人向けの割引サービスの「2年割」「3年割」「グループ内通話割引」「シングル大口回線割引」「WINシングル大口回線割引」の新規受付を2011年1月31日で終了する。現在、対象となる割引サービスを利用している顧客は、継続して利用が可能だ(関連記事:KDDI、「2年割」など法人向け割引サービスの一部を新規受付終了)。

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