[2011年第24週]マックのiPhoneアプリ登場、iチャネルもスマホ対応へ、UQは100万契約突破
2011.06.20
Updated by Naohisa Iwamoto on June 20, 2011, 11:00 am JST
2011.06.20
Updated by Naohisa Iwamoto on June 20, 2011, 11:00 am JST
6月も半ばになり、沖縄では早々に梅雨明けしたかと思えば、九州を中心に大雨の影響が出ている。梅雨が明けていくと今年も猛暑の予想で、電力の消費が今から気になるところだ。第24週は、夏を前にスマートフォンのアプリの話題が熱く盛り上がった。まずは新アプリの状況からチェックしていく。
一般の携帯電話向けサービスで2000万人を超える膨大な会員を集めている日本マクドナルドが、6月17日にようやくiPhone向けの公式アプリケーションの提供を開始した。スマートフォン向けには2010年12月にAndroid対応のアプリを提供していたが、iPhoneへの対応は遅れていた。iPhone向けのアプリは、App Storeで「マクドナルド公式アプリ」の名称で掲載され、ダウンロードが可能になっている。クーポン情報や店舗検索、商品情報、スタンプキャンペーンなどを提供する(関連記事:マクドナルドの公式アプリ、iPhone版のダウンロードを開始)。
また、iモード端末向けに提供していたNTTドコモの情報配信サービス「iチャネル」も、6月22日からスマートフォンで利用できるようになる。月額使用料は157.5円でiモード端末と同じ。機能的には、待ち受け画面に文字だけがテロップ表示されていたiモード端末のサービスと異なり、スマートフォンではウィジェットを使って文字に加えて画像も表示できるようになる(関連記事:NTTドコモ、iチャネルを6月22日からスマートフォン対応へ)。
利用できるスマートフォンの種類を拡大させたのが電子ブックストアサービス「TSUTAYA GALAPAGOS」。TSUTAYA GALAPAGOSとシャープは、同サービスに向けたAndroidアプリの提供をAndroidマーケットで6月13日に開始した。利用はこれまではアプリがプリインストールされたシャープ製スマートフォンに限られていたが、ドコモやKDDIの他社製Android端末にまで大きく広がることになる(関連記事:TSUTAYA GALAPAGOS、シャープ製以外のスマートフォンでも利用可能に)。
スマートフォンに向けた音楽サービスの発表もあった。ソニーは、Qriocityの音楽配信サービス「Music Unlimited powered by Qriocity」に対応したAndroid端末向けのアプリケーションの提供を開始したと発表した。クラウド型の音楽配信サービスで、Android端末でもストリーミング形式で700万曲以上の楽曲を楽しめるようになる。アプリは、アメリカ、イギリス、アイルランド、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリア、ニュージーランドの9カ国のAndroidマーケット経由で提供する。国内では提供していない(関連記事:ソニー、音楽配信クラウドをAndroid端末で利用可能に、米英など9カ国で開始)。
同様のクラウド型音楽サービスは、KDDIも「LISMO unlimited powerd by レコチョク」の提供を5月に発表している。6月15日にサービスを開始。これを記念して有名人のプレイリストを公開するなど、キャンペーンを実施する(発表資料:「LISMO unlimtedスタートキャンペーン」の実施について)。
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イー・アクセスは2011年6月14日、2011年夏の新製品として合計5機種を発表した。「EMOBILE G4」シリーズのデータ通信端末2機種、スマートフォン2機種、タブレット端末が1機種のラインアップで、7月以降順次発売する。発表したのは、下り最大42Mbpsの「EMOBILE G4」対応のデータ通信端末がモバイルWi-Fiルータータイプの「Pocket WiFi(GP02)」とUSBタイプの「GD01」、Android 2.3を搭載したテザリング対応スマートフォンが軽量の「Pocket WiFi S II(S41HW)」とテンキー付きストレートタイプの「S42HW」、タブレット端末が「A01HW」の計5機種である(関連記事:イー・アクセス、42Mbpsルーターやテンキー付きスマホなど5機種、料金割引キャンペーンも)。
ソフトバンクモバイルは、下り最大7.2Mbpsのデータ通信に対応したモバイルWi-Fiルーター「SoftBank 006Z」と、専用の料金プラン「データし放題」を提供する。専用の料金プランはキャンペーン価格を適用することで、月額1400円〜4380円の2段階定額で利用できる(関連記事:ソフトバンク、モバイルルーター「006Z」の発売と、2段階定額の専用プラン)。
通信サービスの概況としては、UQコミュニケーションズのUQ WiMAXサービスが6月15日に累計契約数100万契約を突破したニュースがあった。有料サービス開始から約2年で100万契約を達成した。50万契約は2010年12月の達成で約1年半かかったのに対し、50万〜100万契約への50万契約は急速にペースを上げて約6カ月で増加した。同時に、契約時のインターネット機器代金を割り引くサポートプランの提供開始についても発表した。24カ月の契約を前提とし、家電量販店などUQ WiMAXサービスのMVNO企業が提供する(関連記事:UQのWiMAXサービスが100万契約を突破、有料サービス開始から約2年で)。
新規参入事業者としては、3Gデータ通信などを提供するイー・モバイル(当時、現イー・アクセス)が、2007年6月に有料サービスを開始してから約1年6カ月で100万契約を突破している。UQコミュニケーションズはWiMAXというまったく新しいインフラを使っており、他事業者とローミングするといったテクニックが使えない中で、イー・モバイルに近いペースで100万契約を達成した。
大手事業者はサービスエリアを新幹線のトンネル内でも拡充している。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3社は、山陽新幹線のトンネルにおいてサービスエリアを拡大する。サービスが開始は、7月19日に兵庫県境〜岡山駅の以下のトンネル内(12トンネル)、2011年秋頃に岡山駅〜福山駅の以下のトンネル内(16トンネル)を予定している。すでに新大阪〜姫路のトンネル内は2010年3月にエリア化されており、今回のエリア拡大で新大阪駅〜福山駅のトンネル内が大手3社の携帯電話エリアになる(関連記事:ドコモ、KDDI、ソフトバンクが山陽新幹線の兵庫県境〜福山間トンネル内をサービスエリアに)。
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東日本大震災から100日が過ぎた。そうした中でKDDIは、災害に関する各種の警報や避難情報をau携帯電話に配信する緊急速報メールを2012年春以降に提供すると発表している。緊急速報メールとしては、これまで「緊急地震速報」を提供してきた。これに加えて、地域に密着した情報を一斉配信で届ける「災害・避難情報」を提供する。内容は、国や自治体が配信する避難勧告や避難指示、各種警報といった十分の安全に関わる情報だ(関連記事:KDDI、災害や避難情報を届ける緊急速報メールを来春スタート)。
また、KDDIは節電への取り組みもアナウンスしている。情報ポータルサイトやスマートフォンアプリなどで家庭の節電への取り組みを支援する、節電総合サービス「KDDI 節電ひろば」を開設する。サービスは6月16日に開始した。第1弾として節電およびヘルスケアに関するアドバイスなどを提供する情報ポータルサイトと、Android端末向けに節電アプリを提供する。第2弾として、節電への貢献度などに応じてauポイントを付与する「節電チャレンジプロジェクト」も計画している(関連記事:KDDI、節電を支援するサイトやアプリを「KDDI 節電ひろば」で提供)。
最後に、NTTドコモのネットワークで6月6日に発生した通信障害についての続報。障害の原因と対策についての発表があった。障害発生のきっかけは端末の位置情報を管理するサービス制御装置の故障で、それを要因としてソフトウエアの過負荷耐性の低さなどが影響して影響が拡大したという。NTTドコモでは、こうしたトラブルが重なったことに対して、ソフトウエアの過負荷耐性の向上など具体的な対策を示した。すでに全国のサービス制御装置に対して対策を完了したとしている(関連記事:6月6日のドコモの障害、サービス制御装置の故障から位置登録信号の急増が要因)。
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