[2012年第16週]日本通信がドコモを提訴、絵文字共通化、auが「HTC J」発表
2012.04.23
Updated by Naohisa Iwamoto on April 23, 2012, 16:43 pm JST
2012.04.23
Updated by Naohisa Iwamoto on April 23, 2012, 16:43 pm JST
4月中旬のこの週は携帯電話事業者を巡る話題が多かった。MVNOの接続料を巡っては、日本通信がNTTドコモをついに提訴。ユニバーサルサービス料金の値下げ、絵文字の共通化、新東名高速のトンネル部分のエリア化など各方面にトピックがあった。
まず、日本通信がNTTドコモを提訴したニュースから。日本通信は接続料算定に関してNTTドコモを東京地方裁判所に提起した。日本通信は2008年8月からドコモと相互接続してMVNOサービスを提供している。その際に支払う接続料金は、当該年度、および翌年度の2年間は、両者が合意した算定式で算出されたものだったという。しかし3年度目の2010年度(2010年4月から2011年3月)の接続料は、当初の算定式とは異なっていたため、これまで抗議を続けきた。4月13日にドコモは、2011年度の接続料を合意と異なる算定式で再度算出し公表した。これにより日本通信は訴訟提起に踏み切ったという(報道発表資料:日本通信、NTTドコモを提訴)。
ユーザーに、わずかだが負担軽減のニュース。電気通信事業者協会(TCA)は、ユニバーサルサービス制度に基づいて通信事業者各社から徴収している負担金額の電話番号当たり単価を2円引き下げることをアナウンスした。2012年7〜12月は現行の月5円から月3円になる。2011年度の徴収額に余りが生じていることと、算定対象となる電話番号数が増加していることから、負担の軽減につながった(報道発表資料:ユニバーサルサービス(基礎的電気通信役務)制度に係る修正番号単価の公表について )。
事業者間で絵文字のデザインが異なることから、絵文字を使ったメールの意味が通じないような事態に打開策が出された。NTTドコモ、KDDI、沖縄セルラー電話、イー・アクセスの4社は、事業者間のメールでやり取りされる絵文字をNTTドコモの絵文字をベースにしたデザインに統一することを発表した。これに基づき、KDDIおよびイー・アクセスは両社それぞれの絵文字を、NTTドコモの絵文字に合わせて変更する。NTTドコモ、イー・アクセスの携帯電話やウィルコムのPHSと共通の絵文字でメールをやり取りできるようになる(関連記事:auの絵文字がリニューアルでドコモと共通に、事業者間共通化の一環)。
開通した新東名高速道路でも快適に通信を。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルは4月14日に一部が開通した新東名高速道路のトンネルを携帯電話のサービスエリアとして整備した。御殿場ジャンクション〜三ヶ日ジャンクション間が開通し、開通区間の全トンネルを携帯電話のサービスエリアとしてサービスを提供開始した(関連記事:携帯電話3社、部分開通した新東名高速の全トンネルをエリアに)。
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この他のニュースを紹介していく。まず、KDDIが発表したAndroid 4.0スマートフォンの話題。KDDIは、Android 4.0をOSに搭載した「HTC J ISW13HT」を2012年5月下旬以降に発売する。HTC Jは、グローバルメーカーのHTC製ながら日本市場に特化したオリジナルモデル。ワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信の国内向け主要機能を搭載した。KDDIの「〜@ezweb.ne.jp」アドレスのEメールや、緊急地震速報、災害・避難情報、津波警報を知らせる「緊急速報メール」にも対応する。データ通信は、CDMA方式に加えてWiMAXも利用できる「+WiMAX」に対応。テザリング機能も備えており8台までのWi-Fi機器を同時に接続して通信できる(関連記事:KDDI、日本向け機能フル対応でAndroid 4.0対応の「HTC J」を発表)。
今週もM2M市場の拡大を予想する調査結果が公表。市場調査などを手がけるROA Holdingsは、国内のM2Mマーケットの今後の展望についての調査結果を発表した。調査では、2010年度には1000億円に満たなかったM2M市場が、順調な成長を見せて2015年度には3300億円になると予測。海外プレイヤーの参入による導入コストの低下や、東日本大震災以降の「スマート化」への意識変革などが、市場拡大の追い風になっていると分析する(関連記事:M2M市場は「サービス」を核に2015年度には3300億円に--ROA Holdings調べ)。
Androidアプリのマネタイズに光明。ACCESSPORTは、Androidアプリ開発者に向けてアプリ内の月額課金に対応したSDKの提供を開始したと発表した。同社が運営するAndroid向け独自アプリマーケット「TapnowMarket」(タップナウマーケット)で提供するアプリで、アプリ内の月額課金が可能になる。ユーザーの決済手段は、JCB、VISA、MasterCard、アメリカン・エキスプレスの主要クレジットカード。一度クレジットカード除法を登録すれば、次回以降の決済はワンクリックで完了する。また、4月内に一部の携帯電話のキャリア決済にも対応する計画だという(関連記事:ACCESSPORT、Androidアプリでアプリ内月額課金を可能にするSDKを提供)。
児童ポルノの流通防止に対策。NTTドコモは、iモード、spモード、mopera U、Mzoneでインターネット上で児童ポルノを閲覧できなくするブロッキングを開始する。5月24日から実施する。児童ポルノ画像などを掲載するサイトへのインターネットアクセスを遮断するもので、インターネットコンテンツセーフティ協会(ICSA)が提供する「児童ポルノ掲載アドレスリスト」で指定したサイトをブロックする(報道発表資料:児童ポルノブロッキングの実施について)。
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